あの日の約束 (ページ28)

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「ママ〜、終わったよー」

ママ「ありがと〜、もうちょっと時間掛かるから...

A母「ねぇ、ケーキどこにある？」

母「ケーキ...？あ！！取りに行くの忘れてた、え、まだ間に合うわよね？ちょっと樹、取りに行ってきてくれない？お店まだ開いてるから大丈夫だと思う」

「はいはーい、分かりました〜」

出ました、ママのおっちょこちょい。昨日取りに行かなきゃね〜って言ってたのに。
ま、いつものことだからね。Aのお母さんも隣でまた？って笑ってたし。

「A〜、ちょっとケーキ屋行かなきゃいけなくなったんだけどいく？やめとく？」

A「あそこの角のケーキ屋さん？」

「そうそう、ママがケーキ取りに行くの忘れてたんだってさ」

A「あぁ〜笑樹ママらしいね。行っていいか聞いてみる」

A「行っていいってさ、雨降ってないからお散歩にいいんじゃない？って言ってた」

「だな、雨降る前に行こ」

ケーキ屋までは歩いて5分もかからない。

年々暑くなってるせいなのか、梅雨のせいなのか、玄関から出るとなんかジメジメしてて気持ち悪い。

住宅街にあるお店だから大通りはないけどそれなりに車は通っている。

急に出てきたり、スピードが出てる車も通る時があるからちょっと危ない。

家を出て少し歩いていると、後ろの方から音がするなと思ったら、車が来ていて横を通る時思ったよりギリギリで危なかった。

前にパパから言われたことを思い出した。

〈自分が車道側を歩いて女の子を守ってあげなさい〉

そもそも女の人と歩くことなんて滅多にないから分からなかったけど、自分が車道側を歩いていて『危ね、でも良かった俺側で...』って思ってて、『あ、守ってあげるってこういうことなのか？』って少しだけ気づくことができた。気がする。