60.『助けて』 ページ10
『…俺が、悩んでること。とりあえず、お前にだけ話すわ。』
ぽつり、ちいさな声で呟くように言えば、コネシマは目を丸くした。
kn「話してくれるん...？」
『だからそう言っとるやろ、』
彼の言葉に頷きながら、近くの大きな水槽の前のソファーに座る。
鮫やエイが可憐に泳ぐ姿を目に写しながら、自分の手を強く握った。
『…旅行をする度に、母さんを思い出すんよ。トントンと行った、初めてで最後の家族旅行を。』
コネシマは、何も言わずに話に耳を傾けている。何を話せば良いのか、見当もつかない儘に話す。
『……そんな過去にずっと捕らわれてるのも嫌やし、忘れよう忘れようって思っとるんに、結局は頭から消えない。』
小さな声は、彼に聞こえているかも分からないのに。
『...父さんが海外に行ってから、トントンと居る時間が、圧倒的に前よりも増えた。でも、トントンを見る度に、母さんみたいに失うんが怖くて堪らないんよ。あのとき、泣くことを我慢することしか出来なかったみたいに、また何も出来ないんじゃないか、って。』
小刻みに震える手を、コネシマに見えないように隠す。ひとつ溜め息を吐けば、ぼそりと呟いた。
『俺、まだ母さんが死んだことを受け止められて無いんや。』
家に帰れば、お帰りって笑ってくれるような。
徹夜の勉強時に、夜食を持ってきてくれるような。
助けを求めれば、いつまでも寄り添ってくれるような。
そんな存在が、自分には＿＿＿。
kn「……生きとる。」
コネシマは、ゆっくり俺の目を見た。真っ直ぐな空色は、細められていて。
kn「…ええこと教えたるわ。」
彼は、ふっと笑って続ける。
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( ・ω・) - 今までお疲れ様でした！！悲しいし寂しいけど沢山読んでて楽しめる話を読ませてくれて有り難う御座いました。 (2020年2月27日 20時) (
レス) id: aa3be13e80 (このIDを非表示/違反報告)
まおまお - そうですか、、悲しいけど今まで楽しめるお話を提供していただきとても感謝してますありがとうございました (2020年2月25日 1時) (レス) id: bc0445e631 (このIDを非表示/違反報告)
瑠蒼ﾁｬﾝ(プロフ) - ここまでお疲れ様でした。この作品が見てなくなるのは少し寂しいですね。主様も主様の書く小説も大好きで更新待ち遠しいくらいでした。たまに、迷惑をかける害悪さんが居て占ツク降りる方多いんですよね。とてもいい作品を読ませていただきありがとうございました。 (2020年2月20日 23時) (レス) id: cdfbca5434 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - この作品見れなくなっちゃうのか...すごく大好きで、更新されるとテンションがおかしくなるくらい嬉しかったので残念です... (2020年2月19日 20時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
のさん - 塩酸カリさん» ﾊｯ!はしかに！てゆうことはknはsn？(失礼しやした (2019年12月26日 1時) (レス) id: cd9f2283b5 (このIDを非表示/違反報告)
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