62.電話 ページ12
目をごしごしと服の裾で擦れば、赤くなるやろ、とコネシマに軽く背中を叩かれた。
『…しょうがないやろ。泣いたことがトントン達に知られるのは絶対嫌やし、』
俺の言葉に、隣を歩くコネシマはさぞおかしそうにゲラゲラ笑う。
kn「なんや、恥ずかしいんか〜?Aにも可愛いとこあるんやなぁ、」
煩い、と彼をどつけば、すまん、と思って無いことがもろ分かるような謝り方をされる。しばくぞ。
だなんてしていれば、俺の携帯が鳴り響いた。
『……コネシマ、』
電話主の名前を見て、直ぐに切りたい衝動にかられる。彼奴だ。
コネシマに声をかければ、察したのか自分に携帯を渡すように言ってくる。
『……、』
彼に携帯を差し出せば、彼は直ぐに通話ボタンを押した。
kn「…あー、すんません。今、Aはトイレ行っとるから出れへんねん。代わりに友人の俺が出たんやけど、Aに何か伝言とかあるんすか、」
なんとも雑な言い訳だが、彼は真っ直ぐな思いを淡々と言い始める。
kn「かけ直す...?……いらんわ。知ってんねんぞ。お前やろ、Aやトントンを苦しめとる奴は。お前なんかに俺の親友が傷つけられてたまるかばーか、」
そこまで言えば、プツリと電話を切ったコネシマ。
コイツ恐ろしいな、だなんて思いながらも礼を述べようとすれば、声がかかった。
sha「あ、居った居った。シッマとA〜、探したで。」
遠くから走ってくるシャオロンに軽く手を振れば、彼はイルカショーが終わってしまったことを報告してきた。
結局イルカショーは見れなかったな、だなんて思いながら、彼らに囲まれて皆のもとへ戻る。目をきらきら光らせてイルカショーの話をする子供達に口元が緩んだのは言うまでも無い。
ーーーーーーー
「…吹っ切れたみたいだね。流石は親友だ。」
「クソ先輩、中々やりますね。」
「まぁ、ええんとちゃう?これで残り一日、Aは心から楽しめるやろ。」
その目を優しく細める影があった__。
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( ・ω・) - 今までお疲れ様でした!!悲しいし寂しいけど沢山読んでて楽しめる話を読ませてくれて有り難う御座いました。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: aa3be13e80 (このIDを非表示/違反報告)
まおまお - そうですか、、悲しいけど今まで楽しめるお話を提供していただきとても感謝してますありがとうございました (2020年2月25日 1時) (レス) id: bc0445e631 (このIDを非表示/違反報告)
瑠蒼チャン(プロフ) - ここまでお疲れ様でした。この作品が見てなくなるのは少し寂しいですね。主様も主様の書く小説も大好きで更新待ち遠しいくらいでした。たまに、迷惑をかける害悪さんが居て占ツク降りる方多いんですよね。とてもいい作品を読ませていただきありがとうございました。 (2020年2月20日 23時) (レス) id: cdfbca5434 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - この作品見れなくなっちゃうのか...すごく大好きで、更新されるとテンションがおかしくなるくらい嬉しかったので残念です... (2020年2月19日 20時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
のさん - 塩酸カリさん» ハッ!はしかに!てゆうことはknはsn?(失礼しやした (2019年12月26日 1時) (レス) id: cd9f2283b5 (このIDを非表示/違反報告)
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