赤色に染まる君という花【青】

花が二輪 ページ3

めみのターン


私が吐き出したもの…それは、リナリアの花だった。


なんで、どうして


ありえないよ、こんなこと。


私は、すぐにスマホで【花 吐く】と調べた。


嘔吐中枢花被性疾患。通称、花吐き病。


私は病気なの？


あまりに、非現実すぎて信じられないよ。


病院、行った方がいいのかな。。


私は、保健の先生に早退したいと頼んだ。



医師「嘔吐中枢花被性疾患、つまり花吐き病は片思いを拗らせて苦しくなると、発症してしまう病気です」


丁寧に説明してくれるお医者さん。


しかし、目は合わせてくれなかった。


やっぱり、病気なんだ 私。


そう思うと、涙が止まらなくて。


哀しさが溢れて、お医者さんの前で泣いてしまった。


医師「三週間に一度、此処の病院に来てください。現状を確認したいのと、点滴を行うので」


点滴…本来なら、関わりのないはずのもの。


その恐怖に、膝がこれでもか、というほど震えた。


こんなに怖い思いは、した事がない。


医師「いいですか。治すには、両思いになるほか、ありません。なので、ほぼ不可能に近いのです」


元々、花吐き病になるのは、苦しい恋を拗らせていた人だけ。


だから、よっぽどのアプローチをするか、死にものぐるいで好かれなければ、ずっとこの儘だ。


医師「治らなければ、赤い花を吐いて亡くなってしまいます。なので、行動は、充分に気をつけてください」


え…私、死ぬの？


死んじゃうの？


この世から、消えてしまうの？


嫌だよ、生きたい。


医師「両思いになって、白銀の花を吐けば、治った証拠です」


パソコンをカチャカチャ言わせながら、呟く医師の声など、私の耳には届かなかった。

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