戯れど、野に咲く薔薇の如く (ページ2)

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煉獄杏寿郎ページ2

「結婚して欲しい」

何を改って、急に何を、どうして私が、

そんな感情が渦巻く。
嬉しいだとか、よくわかんないけど、目の前で土下座せんばかりの勢いの煉獄杏寿郎。

私の同期でもある。

でも、遠い存在。彼は立派な柱で、私は甲隊士。
責任感が、矜恃が、強さが、違いすぎる。

「きょ、杏寿郎くん。私じゃ釣り合わないと思う」

「む、なぜだ。俺がきみと結婚したくて申し込んでいる！」

だって、私と杏寿郎くんでは釣り合わなすぎる……。家柄も、人格も。

「いや、でも、その……なんでわたし？」

「ていうか、いきなりじゃないかなぁ……」

困る素振りを見せる私に杏寿郎くんは、そんなのお構い無しだ。とでも言いたげにズカズカと私に近寄ってくる。

「本当はこの気持ちを押し殺そうかと思っていた！」

「だが、柱である以前に、俺も男だったようだA。」

「キミが愛しくてたまらない！
情けない男だと罵ってくれても構わない！だが、俺を愛して欲しい！そばで支えて欲しい！毎日キミの顔がみたい」

愛しそうに触れられた手に私の手を重ね、そんなのずるいよと。

「釣り合わなくない？」

「キミはそんなことを気にしていたのか？本当に愛いな！」

「杏寿郎くんはほんとに私でいいの？」

「うむ！最終選別で出会った時からキミを好いていた」