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「雨柱、澄乃A推参いたしました。」
それは水の派生。しとしと降り止まぬ雨は、一説によると
齢20にも満たない彼女は同世代と比べ達観していた。
そんな彼女の口癖はこうだ。
「同期?みんな食べられましたよ。選別で生き残ったのは私だけです。」
「弱い者が死ぬ世界を私は早くから目の当たりにしたのさ」
一見、残酷かと思われる彼女の厳しい言葉。だがそれは優しさの裏返しだと捉えることも出来る。
利己主義でもなにものでもない。その刃は届かなかったのだ。何になど、とうにわかるだろう?
目前で友が壊される、鬼に。力尽きる前、友は笑って「仇を頼んだ」そう伝えた。
藤の花で覆われたその山は一瞬にして雨に支配される。
「雨ノ呼吸、一振り……濁流」
剣術の才能に見初められたのではない、全て彼女の努力の成果。
雨に滴る彼女は返り血に覆われ、それでもなお立っていた。
傍らには友の亡骸。
「赦せない」
雨は晴れることない。
土砂降りの中、笑う。笑って笑ってひとしきり。
泣くことは許されない。
「よく来たね、A」
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2021年5月11日 21時