検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:17,157 hit

1 ページ1

「雨柱、澄乃A推参いたしました。」

それは水の派生。しとしと降り止まぬ雨は、一説によると技主(ぎぬし)の埋まらぬ寂しさを表したものだと言われる。
齢20にも満たない彼女は同世代と比べ達観していた。
そんな彼女の口癖はこうだ。
「同期?みんな食べられましたよ。選別で生き残ったのは私だけです。」

「弱い者が死ぬ世界を私は早くから目の当たりにしたのさ」

一見、残酷かと思われる彼女の厳しい言葉。だがそれは優しさの裏返しだと捉えることも出来る。
利己主義でもなにものでもない。その刃は届かなかったのだ。何になど、とうにわかるだろう?


目前で友が壊される、鬼に。力尽きる前、友は笑って「仇を頼んだ」そう伝えた。

藤の花で覆われたその山は一瞬にして雨に支配される。



「雨ノ呼吸、一振り……濁流」

剣術の才能に見初められたのではない、全て彼女の努力の成果。

雨に滴る彼女は返り血に覆われ、それでもなお立っていた。
傍らには友の亡骸。

「赦せない」




雨は晴れることない。
土砂降りの中、笑う。笑って笑ってひとしきり。


泣くことは許されない。



「よく来たね、A」

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 微救済   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヴィズ | 作成日時:2021年5月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。