愛おしさ全開！鶴丸国永くん (ページ10)

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JEALOUSY ″嫉妬″ ページ10

私は忘れない。
忘れることは無いだろう。

「ゲホッ……」

生まれてはや二十年あまり。
元々不器用な性格で、大人しくて、自分の意見など言えない内気なタイプ。
休み時間には隅で読書を嗜むような女学生であった。

そして、生まれつきの身体の弱さ。
霊力というものは元来その身体の持ち主が頑丈であればあるほど強固な物になる。

穴の空いた桶に水を汲もうと試みても、それが満タンになることは無い。
それと同様、器が病に蝕まれている私はどれだけ質の良い霊力だとしてもダダ漏れのままならゴミ屑同然。

「なぁ、キミ」

心配そうに駆け寄る黒い鶴丸さん。
誰になんだかんだと言われても信念を曲げなかった強者。

「楽になりたくはないか？」

彼の言いたいことがなんなのか、その提案は私にとっていいものなのか、咳を止めることに精一杯の私の脳には少し、荷が重い話であった。

やがて落ち着いた頃、彼はもう一度私に先程の質問をする。

「楽に……かぁ。そりゃ、なりたいよ。
なれるなら、なりたい。」

「でも、そんなの無理だよ。」

「神域という場所に俺と住まないか」

神域とは？
聞いたこともない。だってそれは、刀剣にとっての御法度でしょうに。

「俺に真名を教えてくれ。
キミを楽にさせたいんだ。俺を救ってくれたのはキミだろう？！
今度は俺がキミを救いたいんだ」

大海原に、問いたい。

大空に、伝えたい。

私は救われてもいい存在なのですか