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小夜くんを手入れし、手入れ部屋の妖精さんに金平糖を渡す。
もちろん、糖分をとってこれからの手入れを頑張ってくれという意味を込めて。
「こんのすけ、三条の部屋へ案内して」
ハイ、と元気よく返事をしたこんのすけの後を着いて行く。
禍々しいオーラが淀み出ている襖を思いっきりあける。
スパンとキレの良い音を立てて開いた襖。
そして同時に喉元に届く三振りの刀。腹には短刀が今か今かと待ち構えている。
まるで、間違いを起こせば殺してしまうと言うように。
「初めまして、私は縁。
神格の鋭いあなたなら気づいているでしょう?三日月宗近。」
その刀は弱々しくも、猛々しく降ろされ、彼の三日月宗近はその三日月の瞳で私を見下す。そしてフッと息を吹き出し
大笑い。
「縁よ、何故そのような匂いを纏ってこの三条部屋へ参ろうと?」
「はて、匂いとは」
カチャリ、それは鋭い音を生して私の首に突き刺さる。
ツーと垂れてくる血に、半ば夢のような感覚を覚えた。
「鶴丸国永の匂いですよ。
彼は元来……」
「そのくらいにしときましょう?
それよりもボクたちは、なぜこのへやにきたのかをきいているのです!」
微睡みに、手を奪われて
持病故か、逃がしてしまった
誰にも、気づかれなかったというに。
「鶴さんの主か?」
「なるほど、国永日記の主人公ですか。
これは興味深いですね」
国永日記……?
「俺たちの手入れ後にそこの箪笥を開けてみろ、縁がその伝説の女剣士ならば分かることもあるはずさ。」
「ボクはおことわりします!
もうにどと、あんなおもいは……にんげんにふれられたくありません!」
「ハハハ、困ったなぁ。そりゃ困ったな、今剣。
なぁ、三日月や……すまなかった」
その女が発した言葉は、間違いなく鶴丸国永のもの。
波長が合うのか、それとも……。
「今剣、受け入れよう」
俺の言葉に息を飲む今剣、石切丸、小狐丸。
ああなった鶴さんがそう言ったのだから。
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安奈(プロフ) - 何回も読んじゃうくらいハマりました。続編か番外編作って下さい。 (2021年7月24日 15時) (レス) id: 684d6cbe53 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 玄さん» お褒めの言葉ありがとうございます!笑 (2020年8月6日 11時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
玄(プロフ) - うわ尊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!尊い!!!!!!!!!!エモい!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!(語彙力皆無)あなたは神か、 (2020年8月6日 5時) (レス) id: c32115693c (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 美咲さん» わああ!コメありです!感想も励ましの言葉もありがとうございます!頑張ります(^O^) (2020年6月26日 10時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2020年6月6日 17時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2020年2月14日 2時