帯刀“鶴丸国永”

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カキンｯ＿＿＿＿!!

「何故ｯ!!
貴方はｯ……！貴殿はｯ！何故…何故こうも邪魔をするのです！！？」

折れた私の脇差は弧を描くようにグルグルと周り庭に刺さる。
それはこんのすけのものか、一期一振のものか、はたまた後ろの子らのものか……誰のものか分からない唾を飲み込む音。


「時間が無いんだよ、どうやら私には“刀”に随分と縁が深いようでね。ここはひとつ、私の手を取ってみないか？」

錆び付いた太刀。
ヒビは入っていないが、時間の問題だろう、ポロリと落ちてしまえば彼は文字通り消えてしまう。



「ふざけているのですか？
先程は私も頭に血がのぼり無礼なことをしてしまったと反省しています。ですが、それとこれとは別です。
人間に借りる手はない。」


「では、いつまでもそうやって……家族とかたまり震えるのか？
大丈夫、治るからと根拠の無い希望を吐き出すのか？
結局お前らは信じているんだよ、心の奥底で、人間を……救ってくれる人間を！！！！」




・




・



ふわり、優しい匂いが鼻をくすぐる。
それは弟たちも同じようで、苦しそうに唸りながら「いち兄……もしかして」と言の葉を紡ぐ。


すまない、私にはわからんのです。
なにが正解で、なにが間違いなのか。



不甲斐ない兄で、すまない。


どうか、新しい人間よ……同じ過ちをおかしてくれるな。
弟たちをこれ以上、傷つけないで欲しいのです。





私はどうなっても……




太陽は未だに沈まない。

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