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私は字が書ける。言葉も話せる。自分の意思がある。
でも、私には地位がない。権力がない。権利がない。
力もない。
幾度か己の無力さに絶望を抱いた。
膝をついた。女という壁を前に。
冷や汗が額から吹きでる。
今私は背後を取られている。そしてなにより、首に刀をあてられ脅されている。「鍵をよこせ」と。何の鍵だろうか。門の鍵などあってないようなもの。それに私のような下っ端に鍵なんて渡さない。
どうにかこの状況を打破しなければ。
痛いのは嫌だ。死ぬのもゴメンだ。
だけど、大王を裏切りたくはない。
「なにゆえ、何故裏切るか。鍵などない。お前は元からこれが狙いだったのか？」
「ああ、A。ごめんな。
あんたの野望、叶えられそうにもねえな」
どうしてだ？なんでだ？裏切り？
このまま私が鶴丸に手をかけその勢いで後ろに振り向けばこいつはいとも容易く私に斬られる。
数年剣の稽古をした彼ならわかるはず。
「うそだよ。キミは怯えてる。どうして？」
「なかったことには出来ねぇんだ。お前は女を捨てたのに、俺は男を捨てきれねえ」
「は？」
「お前を好きになっちまった。」
言葉が出ない。
同僚がどうして？
「お前には野望と鶴丸しかいないってわかってる。だから、だからせめて俺はお前に殺されたいんだ」
「待て、可笑しい！！キミ、こんな驚きはゴメンだよ。
じゃあ、鍵って何？」
「気付いてくれたじゃねーか」
その晩、彼は死んだ。血を吐き出しながら死んだ。
自決したのだ。毒を飲んでいたのだ。
私は咎められなかった。
好きとは、何だ。
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安奈(プロフ) - 何回も読んじゃうくらいハマりました。続編か番外編作って下さい。 (2021年7月24日 15時) (
レス) id: 684d6cbe53 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 玄さん» お褒めの言葉ありがとうございます！笑 (2020年8月6日 11時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
玄(プロフ) - うわ尊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!尊い!!!!!!!!!!エモい!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!(語彙力皆無)あなたは神か、 (2020年8月6日 5時) (レス) id: c32115693c (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 美咲さん» わああ！コメありです！感想も励ましの言葉もありがとうございます！頑張ります(^O^) (2020年6月26日 10時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月6日 17時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2020年2月14日 2時
