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「私に、刀をください。」
やせ細った少女からは想像もつかないような声で、顔で、父に願う。
「何を言ってるんだA。
女子が剣を振るうなど以ての外!!」
刀が流通していない時代でも、女は家庭を守るもので、決して戦場になど出ない。それは常識だった。
「父上。私とて考え無しに言っているのではありませぬ。
もう九つの歳です。それに、私は病をも断ち切る女剣士になりたいのです。」
「何を、夢見心地な!!」
刀を振る筋肉も、戦場での知識も何も無い小娘が、
ましてや自分の娘が戦地に赴くとなれば相当な心労だろう。
「許してください、父上。私は平安の地で役人になりたいのです。」
女の役人など前代未聞。だが、それよりも、国永は見たことの無いこの表情に戦慄していた。
母が亡くなり、泣いてばかりだった女子が、意を決し、本気の目をしていたから。
「A……。それが真ならば、お主の意思なら私は止めない。
待っていなさい、刀が出来るまでは時間がかかる。それまでに出来ることがあるだろう?」
「ありがとう、ございます。」
Aがやることはただ一つ。
重い刀を振り回せるほどの力を身につけること。
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安奈(プロフ) - 何回も読んじゃうくらいハマりました。続編か番外編作って下さい。 (2021年7月24日 15時) (レス) id: 684d6cbe53 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 玄さん» お褒めの言葉ありがとうございます!笑 (2020年8月6日 11時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
玄(プロフ) - うわ尊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!尊い!!!!!!!!!!エモい!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!すげぇ!!!!!!!!!!(語彙力皆無)あなたは神か、 (2020年8月6日 5時) (レス) id: c32115693c (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - 美咲さん» わああ!コメありです!感想も励ましの言葉もありがとうございます!頑張ります(^O^) (2020年6月26日 10時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2020年6月6日 17時) (レス) id: f53a1d45b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2020年2月14日 2時