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「目の前…?それって…私?」
ふふんと鼻を鳴らし「ええ、そうよ」と肯定の言葉を紡ぐシルビアさん。
「私の記憶が無いことを良いことに、そんな笑えない冗談言うなんて…、結構いい性格してるのね。」
もし仮に、私が女騎士だったなら…そうね、想像がつかないわ。
でも、憧れてるのはなんで?
「残念ね。Aちゃん…少しだけあたしの昔話を聞いてくれる?」
「シルビアさんの?
別にいいですけど…」
(これで思い出さないのならAちゃん、貴方の想い人への気持ちはそれまでってことよ。)
「あたしは小さい頃から剣術を父親から教わっていてね、何歳だったかな?まぁ、齢10いくつの時に騎士見習いがあたしのとこに来て、剣術を教えてくれって言うの。」
なるほど…シルビアさんが強いのも納得。
ただの旅芸人じゃないとは思っていたけど…。
「ふふ、時には血反吐を吐くくらいにはきつい思いをしたけど、今ではあたしの大切な宝物なの。
ねぇ、Aちゃん。その騎士見習いっていうのがホメロスとグレイグという名前なんだけど、なにか心当たりとかない?」
“ホメロス”と聞いた瞬間に高鳴る胸。
それに気付かないふりをして
「聞いたことも無い名前ですね、もしかして、まだ私が女騎士だと言いたいのですか。」
あぁ、なんだか、なんで…
私はこうも
上手くいかないのだろう。
「残念。
お話はまた今度。次の町に着くみたいだからね。」
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raimu(プロフ) - 初コメ失礼しますっ!更新されてる!!!って思ってルンルンしながら見に来ました!!これからも応援してます!! (2020年8月7日 1時) (レス) id: cc8377c5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - ルイさん» わ!コメントありがとうございます!もうめちゃくちゃ長らくお待たせちゃいましたよね(汗)気が向いた時にまた更新していきますので (2019年8月18日 15時) (レス) id: 54e78712b9 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 久しぶりの更新に感激してます...、これからも頑張ってください! (2019年8月18日 1時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - みことさん» わぁ!!ありがとうございます!気長に頑張りますので、お付き合いよろしくです! (2019年7月3日 7時) (レス) id: 325ec06872 (このIDを非表示/違反報告)
みこと - 凄い面白かったです!!続きがすごく楽しみです!!更新頑張ってくださいね!! (2019年6月24日 21時) (レス) id: 1839dcbe13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2019年2月5日 22時