私は ページ17
「聞きたいことは山ほどあるんだけど…その前に言っとくよ」
「なにを？」
これを話したら軽蔑する？
でもまぁ、別にいいじゃないか。
彼と私は利害関係でもなんでもない。飽くまでも、ただの他人なのだから。
「私の生い立ち…半生を教えてあげるさ。
それとも、こんなおばさんの昔話は興味ないかい？」
「Aのことならなんでも知りたいんだ。教えてくれ。」
今では最凶最悪の犯罪組織の一頭として仲間を導いてるのに。
この子も私と同じ。親の愛を知らないんだな。
「ん。私の世界が色付いた最初の記憶は…母に車に乗せられ、汚いオジサンに売られそうになったこと。
たまたま同情してくれた紳士が母にお金を渡し、私は助かった。」
世の底辺を味わった私。
助けてくれたのはーーー、アイザック爺ちゃん。
「そういう人たちに良いように扱われていた私の両親…見るに堪えない毎日は思い出したくもないもの。けど人間の脳は皮肉なもので、今もまだ記憶の片隅に残っている。」
「白い粉の売り子とか…普通にやってたよ。
それが…嫌だった。いつか殺してやろうと心に決めていた。」
「今も思い出す、あの頃の光は同情してくれた紳士ただ一人だった。」
「お嬢さん、こんな所にいたら“また”売られちゃうぞ」
「いいの！私はいつか必ず殺すの！！血が繋がってると思うと反吐が出る程に憎いアイツらを！犯罪者になったっていいの！」
「ふむ。ワシはハンター協会の会長をしておる」
「ハンター？」
「聞き覚えのない単語だった。
当時13歳の私は殺したあとの虚無を知らなかった。」
「でも、彼ね。続けて言ったの。」
『着いてこい、お嬢さんならハンターになる素質がある』
「そう言われたらさ、断れないじゃん。
だからね、2年間修行頑張って16の時にやっとハンターになったんだ。」
念もハンターになったお祝いで特別にアイザック爺ちゃんに教わったんだっけ？
懐しいなｧ
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ヴィズ(プロフ) - 葉都利さん» わざわざコメントありがとうございます。励みになります。 (2018年9月29日 21時) (
レス) id: 54e78712b9 (このIDを非表示/違反報告)
葉都利(プロフ) - とても面白かったです。完結おめでとうございます！お疲れ様でした。 (2018年9月29日 21時) (レス) id: d7f528593b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2018年9月17日 22時
