弟よ、怖がるなかれ

ゆで卵 ページ23

「それにしても 合格者0はちと厳しすぎやせんか？」

頭上から聞こえてきたその声は紛れもない アイザック=ネテロのもの。
聞きなれたその声は何故か私を安堵させる
そんな存在なのだ 彼は。


「あ、あれは！？」
「ハンター協会のマーク！
審査委員会か！」

名も知らない誰かが呟く そう、あれは審査委員会
一次試験、ヌメーレ湿原のあの事件の際に44番の男が話したように
メンチさんたちは 依頼され無償で試験官という仕事を引き受けた。




ドォン！！


待って？！ なんで降ってくんの？
普通飛び降りる！？！


「審査委員会のネテロ会長 ハンター試験の最高責任者よ」

やっぱり、メンチさんでも緊張するもんなのか。


「ま 責任者と言っても所詮裏方
こんな時のトラブル処理係みたいなもんじゃ」

「メンチくん」

「はい！」

「未知のものに挑戦する気概を彼らに問うた結果
全員その態度に問題あり つまり不合格と思ったわけかね？」
(チチでけーな)

「いえ」

「テスト生に料理を軽んじる発言をされてついカッとなり
その際料理の作り方がテスト生全員に知られてしまうトラブルが重なりまして」
「頭に血が上っているうちに腹がいっぱいになりましてですね…」

「つまり 自分でも審査不十分だと分かっとるわけだな？」

「・・・・・はい」

「スイマセン 料理のこととなると我を忘れるんです
審査員失格ですね」

いや、貴方は失格じゃないよ。
仮にも二ツ星(ﾀﾞﾌﾞﾙ)ハンターなのだから

「私は審査員を降りますので試験は無効にしてください」

「よし！ではこうしよう
審査員は続行してもらうそのかわり新しいテストには審査員のキミにも実演という形で参加してもらう

というのでいかがかな？」

「そうですね！それじゃ」
「ゆで卵！」


え？ゆで卵？！
まじかぁ…めっちゃ好き

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