飛び込む ページ24
ぬらりひょんのその言葉の深さに、メンバー達はしん…と静まり返った。
zm「……」
ゾムも同様に、ぬらりひょんだけを見つめて静止した。
ぬ「勘が鋭いのは、いいことじゃ。そのおかげで命拾いすることが多々ある。」
思う節があったのか、ぬらりひょんの隣にいるグルッペンはうんうん、と頷いている。
ぬ「そして、嫌な予感というもんは、ワシの経験の上で話すならば、まあ…必ず当たる。」
ぬらりひょんが若い頃、嫌な予感がしたが、当時、自身の右腕だった友を、争いの仲裁に向かわせた事があった。
信頼する者に現場を見てきてほしい、という思いがあった。
だが、その結果、共に戦ってきた同志であった友を、くだらない争いで亡くした。
ぬらりひょんを身を締めつけるような後悔が襲った。
ぬ「やはり嫌な予感には逆らいたい、というのが、わしらの本性じゃ。死にたくないからな。じゃからお前さんの言うことも確かに分かる。」
ぬらりひょんは話しながら、大きな机の端に座るゾムにゆっくりと近づいていった。
ゾムはフードのおかげで相変わらず表情が読めないが、頭の動きはぬらりひょんを追っていた。
ぬ「じゃがな、嫌な予感というものは、新しい兆しを教えてくれることもある。」
これまで数多くの戦、明治維新、世界大戦、などの時も嫌な予感がぬらりひょんの身体に駆け巡った。確かに争いが起こり、人々が痛みと苦難の日々に晒されることになった。
だがそれは、新しい時代の幕開けでもあった。
それをぬらりひょんは知っていた。
ぬ「新しい時代…現代、というのかのぅ…になってからは、戦争はこの日本では起きていない。実に平和になったものだ。その平和な時代での嫌な予感なんて…ちっぽけじゃと思わんか？」
長〜く生きてきた、ぬらりひょんだからこその言葉であるな、とメンバー達は感じていた。
普段は見えないゾムの目が、好奇心でキラリと光った気がした。ぬらりひょんがゾムの側に立ち、安心させるかのように、肩に手を置いた。
ぬ「八岐大蛇のことが心配なのじゃろうがな、ヤツもすぐには動き出さん。なんせ何百年と静かにしておるんじゃからな。
ゾムは静かに呼吸しながら、肩に乗った年老いたぬらりひょんの手を見ていた。
ぬ「かの妖怪が、姿を現さず、どうしても神社に籠もっておらねばならん、理由があるはずじゃ。それの調査を、ぜひお前さんにやって欲しいんじゃよ。」
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舞茸(プロフ) - お待たせいたしております(-_-;)子供の新学期準備に、謎の喉の違和感と咳に投稿が滞っておりました。お楽しみ頂いている方には、本当にお待たせしてしまい、申し訳なく思います(_ _;)これからどんどん投稿してゆきます！！読んでいただき本当にありがとうございます！ (2022年4月27日 0時) (
レス) id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 次の投稿楽しみにしています。お体にお気をつけて (2022年3月30日 21時) (レス) @page32 id: 2020323a87 (このIDを非表示/違反報告)
舞茸(プロフ) - 気づくのが遅くなり、申し訳ありません！！わざわざ投稿、ありがとうございます！！育児中のため、更新が遅いです、ご了承下さい。ですが感想頂くだけで、とても励みになります！投稿、頑張ります！ (2022年2月18日 1時) (レス) @page32 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
鴉 - ゾムさん、かっこええ...。 (2022年1月20日 12時) (レス) @page23 id: 9e2a714ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 面白い！見つけられてよかった！ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 9754f34744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞茸 | 作成日時：2021年11月7日 22時
