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朝が来て、グルッペンが苦しんでいる様子はなく、息をして眠っているのを確認し、少年トントンはグルッペンの傷口の薬布を新しいものに替えた。
そして部屋を後にした。
朝食を準備して、朱五朗を起こし、共に食べると、身支度を整え、トントンと朱五朗は家を出た。
山を少し下りて、グルッペンの住んでいた集落へと向かったのだった。
歩いて四十分ほど経つと、集落の家屋が見えてきた。
集落の最初にみえてきた家屋の戸をトントンが叩いた。
案じていた通り、中から返事はなく、トントンが朱五朗を振り返る。朱五朗が顎で催促するので、トントンは意を決して、戸を少しだけ、恐る恐る、開けた。
途端に、鉄の臭いが鼻を刺激した。
朱五朗に言われた通り、鼻から下を布で覆っていたので、まだ緩和されたが、それでも気分が悪くなる臭いであった。
開けた隙間から、朱五朗と共に中の様子を見た。
わらじや水桶が見えた。砂埃をかぶっている。
だがその先を見て、トントンは後悔した。
子供と、子供に覆いかぶさるように、女が死んでいた。
恐らく女は母親だろう。
奥の畳の上に、腕だけが見えた。障子で隠れていて全身が見えないが、恐らく、子供の父親だと予想できた。
みんな、殺されていた。
朱「……」
朱五朗は黙ったまま、次の家屋へ歩き出した。
トントンもそれについていった。
朱五朗は家屋の戸をうるさく叩いた。じっと待ってから、戸を容赦なく開けた。
また鉄の臭いが辺りに広がった。
朱五朗の視線の先を、トントンは覗き見た。
男が一人、血と埃まみれで倒れていた。
朱「……もう、息してねぇな…」
朱五朗のつぶやきが虚しく、家屋の空間に響いた。
トントンは何も言えなかった。
朱五朗は再び、歩き出した。次の家屋、次の家屋、そして次へ…と様子を見て回った。
年齢も、男女も、
妖怪と人間も関係なく、
集落の者が皆、殺されていたのだった。
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舞茸(プロフ) - 作者の舞茸です。ゆっくり更新なのにも関わらず作品を読み、コメントを頂き、本当にありがとうございます！！なかなか文章表現力が足りない点が目立ちますが、子育てしつつ、頑張って楽しんで書いていこうと思いますので、今後、続編の方も宜しくお願い致します！ (2021年12月4日 1時) (
レス) @page48 id: b96c8fba01 (このIDを非表示/違反報告)
露草(よく浮気する人) - コメント失礼します。ストーリーがわかりやすかったです。そして本の謎、筆者の謎など色々な物がしっかり書かれていて読んでいて楽しかったです。とりあえず浮気してまってまs((((( (2021年10月29日 13時) (レス) @page43 id: 0e3a26b127 (このIDを非表示/違反報告)
tubin - 面白かったですよ！ (2021年10月29日 10時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
夢杭 - オリジナルのストーリーが分かり易く、きちんと展開されていて 読み進めていてちっとも飽きませんでした。本に関係する謎、夢主と主役たちの出会い、どう描かれるのか今からとても楽しみです。とりあえず逆立ちして全裸待機していますね。 (2021年10月29日 10時) (レス) @page43 id: ad2ee16e9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞茸 | 作成日時：2021年8月21日 2時
