今だけは ページ32
A「…りっちゃん…だったんだ…。」
そう言えばあのとき、本名教えてなかったよね。
凛月「…そう。」
ふわりと優しい温もりが体中を包み込む。
Aの思わぬ行動に、鼓動が速くなる。
聞こえてないといいけど…。
A「気付かなくてごめんなさい…。
ずっと…会いたかった。」
俺の体操服が、Aの涙で濡る。
…俺って相当やばいかも。
今一瞬、この体操服洗いたくないって思った…。
凛月「…俺は、ずっと前からあんたが好きだったんだよ。」
小学校でも中学校でも、高校でも。
頭の中はAでいっぱいだった。
いつ会えるんだろうって。
もう一度会いたいって。
沢山告白されたけど、俺の中にはAしかいなくて、
全部断ってきた。
そして今年、やっと再会できたんだ。
目が覚めたら隣で女の子が寝てたから驚いた。
一目でAだって分かったよ。
すぐにでも抱きしめて、好きだって言いたかった。
でも、Aは俺のこと覚えてなくて。
初対面で告白されたら変な印象持たれると思ってこらえたけど。
恋とか興味ないし、なんて大嘘ついて。
それにしても、前よりもずっと可愛くなってて驚いた。
そしてもっと驚いたのは、
俺がAの許嫁だってこと。
俺は嬉しかったけど、生憎あんたには恋する人がいて、
それは俺の幼馴染みだった。
一番辛かった。
友達から虐められたときよりもずっと。
長く思い続けてきた人に、好きな人がいて。
それが両思いだったなんて、
俺はもはや悪役でしょ。
でも、Aだけじゃない。
ま〜くんも大事。
ま〜くんにはいつもわがまま聞いてもらってるから、
俺が引くべきなのはわかってる。
でも、やっぱり無理だった。
ずっと思ってきたから。
今も大好きだから。
半端な気持ちじゃないんだよ。
ごめん。
二人の恋の邪魔になるよね。
でも、諦めたくない。
このままでいさせてほしい。
A「…私…酷いこと…。」
凛月「いいの。
でも今は、俺だけを見ててよ。」
ま〜くんといるときは、ま〜くん見てていいから。
俺といるときだけは、俺を見てて。」
A「…分かったよ。」
そんな話をしていたら、
Aの学校から遠いはずの俺の学校には
あっという間に着いてしまった。
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照山紅葉 - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。夜分遅くにすみません！初めてここまで高評価いただいて、驚いています。今後ともよろしくお願いします！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 1f5ed919d9 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きなので最後まで応援させていただきます！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page50 id: 62c0e911ba (このIDを非表示/違反報告)
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