私のKnight ページ29
目の前の人の奥に、見慣れた人と聞き慣れた声が響いた。
A「…凛月？」
「…朔間凛月！？」
凛月「今俺の名前呼んでいいの、Aだけなんだけど？」
彼は私の方へ歩いてきた。
凛月「ごめんね遅くなって。
もう大丈夫だから。」
私の手を握ってくれる。
「アイドルが何の用だよ。」
アイドルが目の前に現れても、微動だにしない。
凛月「分かってるくせに。大事なお姫様を連れて帰るためだよ。」
「大事なお姫様だって？
ファンサービスか何なのか知らないけど、今そういうのやめたほうがいいよ？
真剣だから。」
凛月「少なくともあんたよりは真剣。」
「え？何？じゃあ結婚するわけ？」
凛月「そうだけど？」
「っぷはは！こいつと？
ないない！アイドルともあろう朔間凛月がこんな地味な女と！」
凛月「あんたさぁ、少しは黙れば。」
凛月の珍しい低音に驚く。
握られている力が強くなる。
凛月「お前にこの子の何が分かるの？
ていうか、アイドルだって人間なんだけど。
誰を好きになってもよくない？
あんたこそ大して取り柄もないくせに、
あんまり調子に乗らないほうがいいよ？」
「…お前こそ、あんまアイドルだからって調子のんなよ？
お前とそいつが一緒にいる写真をネットで拡散されんぞ？俺みたいなのに。」
凛月「逆に人の私生活をどうこう言うあんたたちに問題があるんじゃない？
そんなの勝手にすればいい。
その後どうなるかは知らない。
俺はあんたがどうなろうと興味ないから。」
駄目だよ凛月。
そんなことになったら、アイドルまともにできなくなっちゃうよ。
凛月「俺はAだから好きになったんだよ。
あんたから見てどうなのかは知らないけど、俺から見たら世界一だから。
どんなAだって好きなの。
それに、どうせ俺がもらうんだから、
彼氏できるチャンスなんかなくたっていいでしょ。」
この人は、いつだって私の味方でいてくれる。
知り合って間もないはずなのに。
凛月「…そっくりそのまま返してあげる。
俺のAを泣かせたこと、
後悔したほうがいいよ。」
そう言うと凛月は私の手を引き、
彼の横を通り過ぎた。
そのまま元いた場所へ向かう。
凛月「Aのお弁当持ってるから、俺の学校行こう。」
A「…うん。」
私達は校門を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 236人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
照山紅葉 - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。夜分遅くにすみません！初めてここまで高評価いただいて、驚いています。今後ともよろしくお願いします！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 1f5ed919d9 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きなので最後まで応援させていただきます！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page50 id: 62c0e911ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
