世界から彼が消えたら【世界一クラブ×怪盗探偵山猫】 (ページ19)

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夢:第18話ページ19

～No side～

ーさっ、ささっ

『どうですか？』

山「ヨユー、ヨユー」

軽口を叩く山猫だがその
表情はいたって真面目だ

山「しっかし家の中に罠
とかを張ってねーとか...」

山「意外と警備が
薄いな、黒洞家」

ーすぱんっ

山「そうは
思わねぇか？」

山「黒洞薊」

襖を開けた先には茶髪の
女性が背を向けながら月
を見ていた

山「久しぶりだな
まさかお前にまた
...」

山「会、え...」

山猫は目を見開いた
女性は確かに自身が
求めた女だった、女
だったが

山「...おい
どういう事だよ」

山「何で、お前が
ここにいんだよ...」

山「乙姫...！！」

「...何言ってんの」

「自分の実家なんだから
いるのは、至極当たり前
じゃないの？」

山「実家...？」

「何？ビックリした
"母様"、そっくりでさ」

山「娘...だったのか？」

「うん」

山「............」

「ねっ、山猫」

母親譲りの微弱な色香を
放ちながらAは山猫
の周りを周りながら近づく

「私の共犯者(みかた)に
なってよ？」

山「...味方？」

Aは黒洞専属のSPか
義理の家族にでもなる事
を要求、ぶっちゃけ黒洞
にいてくれればそれで良し

「そっ、騙してたのはごめん
でもね？その代価に相応しい
ぐらいの報酬をあげるからさ」

「この世界をあげる
君に、丸ごと、全て」

山「............」

「あれ？もしかして嫌？
嫌なら別のでもいいよ？」

「何がいい？お金？権力？
お酒...あっ、カップ麺とか
？」

「女なら、私は？」

「流石に母様みたいになる
には時間がかかるけども...」

「何ちゃっ」

ードスッ

「...え？」

山猫はいきなりAの
お腹にナイフをぶっ刺す

山「...何だ、もう
くたばってたのか
アイツ」

「が...っ」

ナイフを引っこ抜くと
Aもまた床に倒れ
彼は近くに小瓶を置く

「(何だ、眠く...)」

山「睡眠薬を塗ってある
その内、家のモンが来ん
だろ」

ーきゅっ

「待っ、て」

山猫のズボンの裾を握り
しめながら、彼女は咳き
込む

山「.............」

「いか...ないで」