きみに好きだと言われたい

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でも、念願だった水族館はすっごく楽しい


平日の午前中なんて、人もまばらで
小さい子供とお母さんくらいしかいない






『わあ！おっきーい！！

　あれ、なんですか？』



巨大な水槽を前に質問したら、あの魚はどうのこうのと教えてくれる健二郎さんに
専門家みたいだなと思いながら

綺麗な横顔に見惚れてしまう



「自分から聞いといて、俺の話ぜっんぜん聞いてへんやろ。笑」


ごもっともなツッコミを入れられたけど、
あなたに見惚れてましたとも言えずに笑ってごまかす






ぐるぐる色んな水槽を見て、イルカショーまで楽しんだ


ランチは、水族館の中に入っていたレストラン


『わーおいしい！！』


「大袈裟ちゃう？笑」


高級なお店でもないし、子供が喜びそうな可愛い内装と料理だったけど
健二郎さんとご飯を食べられる、それだけで私にとってはどんな三星レストランよりも美味しく感じられる





一通り水族館を楽しんだ頃、足の痛みを感じ出す

慣れないパンプスなんて履いてこなければよかった…少しの後悔を悟られないように


車に向かう健二郎さんの少し後ろを頑張ってついていく




「ちょっとそこで待っとき」


いきなりそんな事を言われて、健二郎さんは一人で行ってしまった

数分後に車で現れた健二郎さんの助手席に乗る


『車取りに行ってくれてたんですね…
　ありがとうございます』


「足、痛いんやろ？笑」


せっかくのオフを私とのおでかけに使ってくれているのに、こんな気まで遣わせてしまった自分に少し凹む


このまま家まで送られちゃうんだろうなぁと寂しく思いながら、ぼーっと窓の外を見ていた



「よっしゃ、行くで」


ショッピングモールに車が止められた


『え…？』


「痛いんやろ？足
　まだ昼やのに、そんな靴でずっと居られへんやん。笑」


まだ一緒にいてくれるんだ！と言う嬉しさと同時に、
いくら平日の昼間といえども、たくさんの人が行き交うショッピングモール

バレちゃわないのかな？と、心配になる



『こんなところ来て…大丈夫ですか？バレませんか？』


「んー、まぁ…大丈夫やろ

　はよ選べよ？悩むなよ？」


そう言って、スタスタと歩き出す健二郎さんについていく

さっきまでよりも、ゆっくり歩いてくれているのは
きっと健二郎さんの優しさ



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