きみに好きだと言われたい

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ずっと幼馴染みとして、生まれた時から近くにいた


身体も気も弱くて、学校も休みがちだった私は
友達も少なくて


翔は小さい頃から、そんな私をずっと気にかけてくれていた





勉強なんて嫌いだったけど、翔と同じ高校に行きたくて、頑張って勉強した


必死に受験勉強をしていた私に

「妃菜が高校受かったら、なんでも一個お願いきいてやるよ」

翔はそんなことを言った



その言葉を間に受けて、さらに勉強に力を入れて
無事に高校に合格


『翔のこと、好きになっちゃった』


私のその言葉で幼馴染みという関係から、恋人にかわった








交際から一年を迎えたころ別れは突然告げられた



「妃菜、別れよう
　俺、海外の大学に進学する」



『え？』



「当分帰ってこれないし、会えなくなるから」



『….…やだ』



「俺なりに考えて決めた事だから
　ごめん…応援してほしい」



『やだ、できない』



蓮くんに進路の相談をしてたり、学校でも噂になっていたから
翔が海外に行こうとしていることはなんとなく気がついてた


翔が事前に相談してくれなかったことも、別れを選んだことも
当時の私には全然理解できなくて、翔の渡航までの残された数ヶ月は会わない状態が続いた






翔が日本を立つ日
私と翔の関係を知っている蓮くんと莉央ちゃんが
ベッドの中にいる私を半ば強引に空港に連れていった



こんな状況でも、久しぶりに会った翔に私の胸はギュッと締め付けられた


「なんだよ、その格好。笑
　でも、来てくれてありがとな」


『ごめん…あの時、素直に応援できなくて…本当は翔が決めたことなら誰が反対しても応援したいし、翔ならなんだってできるって思ってるよ…頑張ってきてね』


「俺も、勝手だった…ごめんな」


俯いている私の頭を、いつものようにポンポンとしてきて
幼い頃から今まで何度もされたその行為も、もうなくなってしまうんだ
そう思うと、涙が止まらなくなった



「泣かれたら、行けなくなるじゃん。笑」



『ごめん…』



「俺、妃菜のおじさんにもおばさんにも蓮くんにも莉央ちゃんにも、全員に認めてもらえるような男になるから
　その為に頑張ってくるわ

　だから、待っててなんてワガママ言わねぇ
　いつかこっち帰ってきたときに、お前がもし誰かと付き合ってても、またお前の事惚れさせるわ
　ぜってぇ迎えにくるから」



そう言って、翔は遠くに飛び立っていった





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