きみに好きだと言われたい

001 ページ1

.



side KENJIRO



カラッと暑い夏の空
気持ちいい潮風






仕事の付き合いじゃなかったら最高やのにな

レストランの海が見えるウッドデッキ
心の中でボソッと呟いた






お世話になっている会社の接待
うちの会社の偉いさんに、後輩何人かと連れてこられたゴルフ

ゴルフの後、連れてこられたレストランには派手な女がたくさんいた



「山下くん、今日は来てくれてありがとう

　今日は、娘の友達も来たいって言っててね
　招待したんだよ」
　


いかにも金持ってますって感じの紳士
この人がお世話になってる会社の社長


『永山さん、こちらこそありがとうございました

　ハハ、賑やかでいいっすね』



うちの会社の偉いさんの隣で当たり障りのない挨拶をする

俺が一番嫌いなタイプの女たち



「そうだ
　
　蓮…ちょっといいか？」


永山さんが呼んだのは、背の高いイケメン
たぶん俺と同じくらいの歳



「紹介します。息子の蓮です
　
　ゆくゆくは、会社を任せようと思ってますので、これから仕事に同行させることも増えると思います
　よろしくお願いします」



お互い挨拶をして、永山さんは偉いさんと話出したから
俺は蓮さんと暫く話した




聞けば、歳は俺と同じで一気に親近感が湧く
そうしていると、蓮さんの横に現れたスラっとした女の子



『あ！！！』



「あ！！！」



思わず、合わさった声



『莉央ちゃん？臣ちゃんの！！』



俺がそう言うと、慌ててシーッというジェスチャーをしながら首を振る莉央ちゃん



「え？健二郎さんと莉央、知り合い？」





すかさず蓮さんに突っ込まれる

莉央ちゃんは最近よく雑誌にも出てるモデルさん
何度か俺らのライブにも来てて、会ったことがある臣ちゃんの彼女





『あ、いや…前に仕事で一回だけ、ね？
　
　それより、蓮さんと莉央ちゃんも、お知り合いですか？』




「ハハ、莉央は俺の妹だよ」




臣ちゃんが何度か飯に連れてきた時に、品のある子やなーと思ってたけど
本物のお嬢様やもん、と納得がいく




『え！そうなんすか！！！

　二人兄妹なんすね』





「ふふ、私の下にもう一人妹がいるの」






.

002→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す