検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:43,183 hit

03 ページ3

ツアーが始まって




遠くからAさんを
眺めることしかできなかった俺に



チャンスがやってきた





その日は地方公演の初日で
当日リハーサルが押してた上に



バックダンサーのメイクさんのひとりが
急病で休み





間に合わないかもってくらい
バタバタしてた日だった







鏡の前に座った俺のところに


「洸人くん…だっけ?
 
 メイクするね」



Aさんが来たと思えば




突然
俺の頬に片手を当てて、
じっと、見つめられた



え…




きっと、10秒もなかったと思う
俺の中では時が止まった感覚だった





「結構汗っかき?
 代謝が良さそうな肌してる」


そう言ってメイクを始めた



突然の出来事と発せられた言葉に
拍子抜けして




"あ、はぃ…"

なんともダサい返事しかできなかった

せっかく話す機会だったのに






Aさんのメイクは
至ってシンプルだった




特にここがすごい

っていうのは俺には分からなかった





だけど

いつものように滝のように汗をかいた後も
綺麗なままで





その上

ちょうど、その公演を見にきてた
姉から



この日の洸人は
いつもより色っぽい顔してた


って言われて




施されたメイクだけではなく



Aさんの存在が
影響してるんだと




そう感じた




Aさんが放つオーラは



彼女の事を意識してない人でも
不思議な気持ちにさせる気がする






メイクしてくれてる瞬間は
Aさんが俺だけを見てくれて



細くて長い指で
変身させてくれた
あの瞬間





思い出すだけでも
鼓動が速くなるのがわかる


 


あの日を境に
俺の中での
Aさんの存在が大きくなった


だけど


それ以降、Aさんに
メイクしてもらえることはなく




ツアーはオーラスを迎えた


だから





Aさんに会うためには
自分が主役になるしかないんだ

04→←02



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
278人がお気に入り
設定タグ:プデュ , produce101japan , 日プ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ささみ(プロフ) - みーさん» みーさん、ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月6日 17時) (レス) id: f87cd87f14 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - きゅんきゅんしてしまいました。 (2021年7月5日 23時) (レス) id: 0883cafa55 (このIDを非表示/違反報告)
ささみ(プロフ) - 夏凜さん» 夏凜さん、ありがとうございます! (2021年6月30日 13時) (レス) id: f87cd87f14 (このIDを非表示/違反報告)
夏凜(プロフ) - 面白いです!!更新頑張ってください! (2021年6月27日 3時) (レス) id: 0a5787b910 (このIDを非表示/違反報告)
うさ@Bsc(プロフ) - ささみさん» あの!もしよろしければ!私が作っている,参加型の作品に参加していただけないでしょうか?断ってくれても良いので! (2021年6月20日 23時) (レス) id: b72b4d2a41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ささみ | 作成日時:2021年5月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。