【2夜連続】逆転満塁ホームラン【プロ野球 短編集】

◆L8 ページ32

L8×目覚め









尋常じゃない頭の痛みで目が覚めた



ぼんやりとした視界に徐々にピントが合ってくる


朝の光が差し込む部屋の天井がはっきりと見えるようになったとき違和感を感じた






あれ？


いつものベットの感触と違う


日の当たりも自分の家と違う




ここどこだ？







重い頭をあげると少しだけ開いた扉の先からふんわりと香るバターの香り


サイドテーブルにはご丁寧にぬるめのコーヒー
一口飲み込むとちょうどいい温かさ





『俺昨日…』







Aちゃんと一緒に飲んで、それからの記憶は無いけど

服きてないし、たぶんいろいろやったんだろう







「あ、金子さん！おはようございます！」


『Aちゃん』







うわー、俺最低やん


好きな子と泥沼関係なんて嫌やー









「もー昨日ほんと大変だったんですよ？」

『ごめん、俺。ほんま…』



「いきなり服脱ぎ始めて、爆睡しちゃうなんて」





『え、俺、なんもしとらん？』

「すぐ寝ちゃったじゃないですか！覚えてないんですか？」

『よかったー』







安心する俺を不思議そうに見るAちゃん







「朝ごはん、作ったんですけどたべますか？」

『ええの？』

「もちろんです！」









Aちゃんの作る朝ごはんはお世辞抜きでめちゃめちゃうまかった


ふんわりしたオムレツにこんがり焼けたベーコン数切れとトースト

テーブルの真ん中にはみずみずしい野菜が彩られたサラダ


健康にも気を使っていて、それでいて色合いも考えられている









『俺、Aちゃんのご飯、毎日食べたい』

「ご飯ならいつでも作りにいきますよ！」

『そういう意味やなくて…まあ、ええわ』












告白のつもりだったんだけどな









この想いを真っ直ぐ伝えるにはまだまだ時間がかかりそう









(俺、酔っ払っとった？)

(だいぶ酔ってましたね、ずっと好き、って言ってましたけど彼女さんですか？)

(あー、えっと…まじか…)

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