【2夜連続】逆転満塁ホームラン【プロ野球 短編集】

○G18＊ ページ15

G18×付き合っちゃいけない３大Ｂ









『で？こんなに酔いつぶれてどうしたの？』


「……」







話聞いてあげるから、智之はそう言ってカウンターの隣席に座る









ここは2人でよく来るバー



いつも話しながら嗜む程度に飲んでいるんだけど


ちょっと嫌なことがあって1人で来て、飲んだくれる私を心配したマスターが智之に連絡したみたい






『へーあのバンドマンと別れたんだ』









3年間連れ添ったバンドマンと別れた



相手の浮気だった



お金貸したり、会う回数が少ないのも我慢してたのに




智之はどこか遠くの方をみて私の話を聞く









「浮気された…」


『最低だな』


「キャバ嬢の人」


『お前の魅力がわかんない奴なんかと一緒にいる必要ないだろ』


「…うん」


『なに、まだ未練あんの？』


「だって…悔しいじゃんっ」









ずっと支えてきたのに

支え合おうって約束したのに









『あー泣くなよ』


「うっ…ぐすっ」






背中を撫でる手は暖かくて、大きくて、まさに日本の野球を支える手だった









『あ、じゃあA、これ知ってる？』


「なに？…」


『付き合っちゃいけない３大Ｂ』



頭にはてなを浮かべる私に智之は得意気に説明する


『1つは美容師』


女性と関わるタイミングが多いし、コミュニケーション力高いかららしいよー

智之は笑いながら説明する






『ほんで2つ目はバーテン…』






言いかけた時、マスターの鋭い目線がこちらに向いた





智之はしまった！みたい顔して咳払いを1つ









『えーっと、で3つ目』


『3つ目はバンドマン』


「あー」


『お前みたいに捨てられるやつはいっぱいいるんだよ。もう付き合わない方がいい』


「うん」




智之は綺麗な色のカクテルを一気に飲み干して
今度は私の方を真っ直ぐ向いた





『逆に付き合っていいB、知ってる？』


「え、そんなのもあるの？」


『付き合っていいのはねー』









智之は膝に置いた私の手をぎゅっと握った





『ベースボールプレイヤー、とか？』









付き合ってもいいじゃなくて付き合いたいんでしょ









(マスター、お勘定)

(私、いくら飲んだかな…)

(大丈夫、俺が払うから)

(え！なんで！？)

(彼氏なんだからカッコつけさせろ)

(もう…)






Aimyさんリクエストありがとうございました！

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