5話 ページ6
Aは、人混みの隙間を縫って歩いていた。
人混みを作ってい人々の姿は頭上から黒いペンキを被せられたかのように黒く、人と言うよりシルエットと言った方が当てはまっていた。
シルエットは、それぞれ思い思いの行動をしている。
俯きながらキャリケースをゴロゴロと引っ張って足早に歩くシルエット。
四つん這いになり床を叩くシルエット。
酒瓶らしきものを握り千鳥足で歩くシルエット。
ぼたぼたと黒い液体を体から垂らしながら歩くシルエット。
またそこにはシルエットだけではなく、銅鏡、手鏡、姿見、洗面台…種類問わず無数の鏡がそこにはあった。
なかには割れて散らばっていたり、亀裂が走っていたり、汚れていたりするものがある。
それらは宙に浮かんでいたり、床に転がっていたりする。
鏡はシルエットは映さず、Aがそれのまえを通るとそれはAの姿ではなくAと同じ身長の男女の姿を映した。
亀裂の入った姿見には赤いドレスが特徴の妖艶な女性が。
洗面台の曇った鏡には暗めの茶髪を緩い三つ編みにした地味な文学少女の姿が。
床に落ちている手鏡にはスポーツシューズを履いた素朴な男性の姿が。
重力を無視し宙に浮かぶ鏡の欠片には褐色の肌の端麗な男性の姿が。
鏡とシルエットで構成されたその不思議な空間をAはゆっくりと歩いていた。
人混みを通り抜けると、なんの前触れなくAの目の前に巨大な姿見が現れた。
その鏡は他の鏡同様にAの姿を映さず、何人ものAと同じ身長の男女の姿を映している。それをAは見飽きたといった顔で眺めていた。
しばらくすると1人を除いて男女の姿がふっとと消えた、残ったのは薄い空色のフレアスカートを穿いた髪と肌の黒と白のコントラストが美しい女性だった。
その女性が口をゆっくりと開き、Aに対し言葉を発しようとした時、世界が暗転した。
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uzumeyuki(プロフ) - てくさん» ご指摘ありがとうございます。外すのを忘れていました。 (2017年7月22日 22時) (
レス) id: a0e3f7861e (このIDを非表示/違反報告)
てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか？ 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年7月22日 21時) (レス) id: 42191458d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：uzumeyuki | 作成日時：2017年7月22日 14時
