野球部の恋愛事情 (ページ17)

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健大side

　「マネージャー希望ですっ!!」

　彼女がそう大きな声で言う。

　マネージャーは今4人いる。

　でも、俺は皆苦手というより嫌いだ。

　媚びを売りまくっているだけで、真面目に仕事をしない。

　だが優しい先輩は何も言わない。

　だから俺も「仕方ない」と思うことしかできない。

#14「どうせ、お前もそうなんだろ…」

　低い声で睨みつけながら言う。

　でもその声は届かなかった。

　ある3人によって、かき消されたのだ。

　「「「ま、マネージャー!?!?!?」」」

　ｶﾞﾗｯと部室のドアが開く。

　そこにはキャプテンの坂本さん、副キャプテンの石川さん、俺の親友の康晃が居た。

　ﾋﾞｸｯとなる3人。

　そんなこと関係なしの3人。

#6「君がマネージャー希望の子?」

　「あっ、はい」

　ﾆｺｯと笑う彼女。

　アイツらとは違う笑顔。

　偽りのない純粋な笑顔だ。

#49「ようこそ」

#19「よろしくね、俺、山崎康晃。2年」

　腕を差し出す康晃。

　ためらいながらも手を重ねる彼女。

　優しいから康晃はモテるんだよな。

　俺だって握手したい。

　彼女の笑顔を見たい。

　でも……俺は……。

　「今井Aって言います。よろしくお願いします」

　康晃と手を放してﾍﾟｺﾘｯとお辞儀するかの…今井さん。

　俺はいつ彼女の事を信じることができるだろうか…

#49「やすだけずるいぞーっ!俺、石川慎吾。副キャプの3年やけど好きに呼んでくれてええから」

　康晃と同じように手を差し出す。

　「ありがとうございます」

#6「慎吾もずるい…。坂本勇人。キャプテンやけど、どんどん話しかけてな」

　ﾎﾟﾝﾎﾟﾝｯと頭を撫でる。

　「ﾌﾌﾌｯ」

　優しく微笑む今井さん。

　俺と今永くん、柴田くんは置いてきぼりだ。

　俺はこの中でやっていけるんだろうか…。

　

　