青い夏序章 (ページ47)

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淳太くんの家にも挨拶に行く
この島では一番大きい家らしい
たしかに、大きい

東京に建っていてもそこそこ大きい家だ

淳太くんのお父さんは東京に住んでおり、ここにはお母さんと淳太くんの2人暮らし
淳太くんが上京してからはお母さん1人で住んでいるそうだ

淳太くんのお母さんはとても優しい人だった
というか、この島の人はみんな優しい

私のあんなにも冷え切った心が暖かさで包まれるのだから、やはりこの島自体が優しい島なのだろう

そのまま歩き続け、ある一軒の家の前で立ち止まる

「ここ、俺の幼馴染の家」

そう言うと流星はそのまま門を開け歩いていく

私もその後に続く

すると流星は
「かみちゃーん！！！！！」

と、とても大きな声でその家の二階に向かって叫んだ

すると二階の窓が開き、金髪の青年が顔を出す

割と距離があるので顔は見えない

「おー！！！りゅうせー！！！
今行くわーーー！！！！」

流星に負けないぐらいの大声を出した彼は
すぐに室内へと戻っていった

1分も経たないうちに金髪の彼は外へ飛び出してきた

ガチャガチャとしたパーカーに、黒のスウェット

この島で初めてこんなにも色を一気に見た気がする

「りゅーせー！！！」

彼は流星の元へ駆け寄り、そのままガバッと抱きつく

「おっと、なんやテンション高いなあ」

それを受け止め、裏腹なローテンションで流星が声をかける

「なんやねん！ここ2日くらい顔見せへんから心配しとったんやぞ！」

先ほどかみちゃん、と呼ばれた彼は、流星の胸にうりうりーと頭を押し付ける

「いったいねん！そろそろ離れろや！」

そう言われれば、彼は素直に流星から離れる
幼馴染というだけあって、やはり仲は相当いいようだ

そして私は、そんな金髪の彼を見て
ずっと口を開け間抜けな顔をしていた

だって、彼は

「とも、くん？」

私がそう呼べば
彼は流星越しにひょこっと顔を出した

「あ、れ？
A？」

彼もまた私と同じくびっくりしたようで
目をまん丸にしてこちらを見つめてきた

瞬間
「Aやんけ！うわあ！久しぶり！
元気してたかー？2年ぶりくらい！？
ずっと大会にも顔見せへんから心配してたわー！
え、なんでここおるん？ここに親戚おるなんて言ってたっけ？」

私に駆け寄り、手を取って目をキラキラと輝かせながら私を見つめそう言った