青い夏序章 (ページ43)

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下に降りると
聞き覚えのある声が2人分増えていた

居間の扉を開くと
思っていた通り
あっくんと濱ちゃんがそこにいた

「お、Aちゃん！
おはよーさん！」

濱ちゃんが昨日と変わらない優しい笑顔をこちらに向ける

それにつられるようにあっくんも振り向いた

「おー！Aちゃんやん！
なに、Aちゃん淳太くんと知り合いやったん？」

もうすでに2人に私のことを話したようで
あっくんは淳太くんの顔を見てニヒヒッと笑った

私が頷けば、あっくんの隣に座った淳太くんが手招きをしてくる

素直にそこに行けば、濱ちゃんが隣をポンポンと叩いた

座ろうとすると、どこから来たのか流星がその場所に腰掛ける

「あ、おい！
そこはAちゃんの席やろ！」

「なんやねん
別にええやん、同じ藤井なんやし」

濱ちゃんにそう言われれば、流星が意味のわからない反抗をする

まあいいか、と淳太くんと濱ちゃんの隣に腰掛ける

みんなで輪になるように座り、濱ちゃんの天然ボケに淳太くんがツッコミ、あっくんが流星の天然エピソードを語れば、「言うなや！」と流星がムキになる

彼らは本当に兄弟のようで、その様子をただ眺めているだけで楽しかった

「そういやさ、なんで淳太くん帰って来たん？まだ土日ちゃうやろ」

ふと、あっくんが淳太くんにそう聞けば

「なんや、帰って来ちゃ悪かったか？」

と少し不機嫌そうな顔で淳太くんが答える

「ちゃうやん！いつも土曜の朝に帰ってくるのに、珍しいなって思っただけやん！」

あっくんは慌てたようにそう弁解する

そういえば今日は、

「照史、今日祝日やで」

そう、濱ちゃんが言うように今日は祝日だ

「ええーー！？
そうやったん！？
うわあ、島におるとほんまに分からんなあ」

「そういうこと
そんで、明日は有給使って4連休
ほんましっかりしいや？
いくらのんびりしとるからって曜日忘れるのは大分きてんで」

呆れたように淳太くんがあっくんにそう告げる
確かに、長期休みになると私も曜日の感覚はなくなるし
さほど気にすることではなさそうだが