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「知り合いっちゅーか、元生徒？」
中間さんのその言葉に、やはりまだ何のこっちゃ分からない兄は、私を見つめた
「元、先生？」
私も中間さんと同じようなことを言うもんだから
ついに兄は頭を抱え唸り始めてしまった
その様子を見て中間さんはハハッと笑う
「俺さ、大学の時家庭教師しててん
その時生徒やったんがAちゃん
まさか流星の妹やったとはなあ」
中間さんがそう説明すれば
兄は勢いよく顔を上げ、驚いたように私と中間さんの顔を交互に見る
「え、え、家庭教師？
え、でも、やって
淳太は俺の親見たことあるやろ？
何で気づかへんかってん」
「あー、いつも家いってもAちゃんしかおらんかったし
家庭教師の申し込みは電話やったから
俺は直接聞いてへんし
確かに苗字は一緒や思ったけど、藤井なんて割とどこにでもおるやろ？
やから気にもせんかったわ」
「はぁ？！」と言い流星はまた頭を抱え込んでしまった
すると、そのまま私の方を見つめ
「淳太って聞いた時、もしかしてって思っとった？」
と聞いてきた
「ううん
私先生の名前は苗字しか呼んだことなかったし」
納得したように流星は何度も頷いた
すると閃いたようにまた顔を上げ
「いや、でもさ！家庭教師やったら先生、って呼ばへん？何で中間さんなん？」
「あー、それは俺が嫌っていったんよ
家庭教師ゆうても学校の先生とはちゃうやろ？
せやったらそんな距離離さんでもええやんって」
流星はやっと整理がついたのか
中間さんの顔を見て安心したように笑い
肩の力を抜いた
「なんや、俺がAちゃんの元カレとでも思ったか？」
「なっ…！」
驚いたのは兄ではなく私だ
この人は当時、家庭教師の時からこうだった
顔を見つめれば「惚れた？」なんて言ってくるし、距離が近いと「ドキドキせえへん？」なんて聞いてくる人だ
だから先生などと思ったことはない
変態なお兄様だ
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作者名：民 | 作成日時：2018年10月7日 2時
