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「しばらくすると心配したばあちゃんがきてくれてな、無理して笑って、その日は昨日みたいなあったかい鍋作ってくれたわ」
おばあちゃんも辛かったに決まってる
自分の娘が、娘が愛した男性が
自分から遠く離れた地で亡くなったのだから
私以上に実感が湧かず、ただただ想像することしかできない祖母と兄は、きっと私には想像もできないほど苦しんだだろう
「葬式には、行かへんかった
ばあちゃんも俺も、日にちさえ聞いてなかったから
行きたくても行かれへんかってん
何度電話かけても繋がらへんかった」
そうか
お葬式の日、なぜ2人とも来なかったのか
私はずっと疑問に思っていた
だが、それは私に会いたくないんだという勝手な決めつけで解決させていた
あの人たち、2人を呼ばなかったのか
ふつふつと怒りがこみ上げてきたが
そんなもの今感じたってどうにもできない
私はあの人たちに口答えはできないし
しようものなら恐らく拳が飛んでくるだろう
「お前があっちでどういう扱い受けたか
おとんの姪っ子さんから聞いたわ」
父の姪っ子、それは私たちの従兄弟にあたる人で
兄よりも11歳上のだったはずだ
父の姉は、17の時に交際していた男性との間に子供ができ、もちろん祖父母は勘当し
家を追い出されたと聞いている
叔母は父方の家族で唯一私たちに良くしてくれた人だ
人、だった
「せやから、お前を島に連れてくるようにばあちゃんに頼み込んだんや
まあ、俺が言わずともばあちゃんもそのつもりやったんやけどな」
両親が亡くなってから毎日のようにかかってきた祖母からの電話
いつもいつも、島においでと言ってくれていたのは
兄の想いもあったからなのか
ここに来て、兄にそう教えてもらうまで
私は兄から嫌われていると思っていたのだ
だって、私は
両親を"殺した"張本人なのだから
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作者名：民 | 作成日時：2018年10月7日 2時
