青い夏序章 (ページ18)

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楽しい夕食の時間が終われば、みんな各々の時間を過ごし始める

おばあちゃんは洗い物を終え、お風呂に入りすでに寝てしまった

流星はすぐに自室に戻り、そのままこもってしまったので何をしているかわからない

濱ちゃんに聞けば「どうせ寝てるやろ」と言っていた

流星はよく寝るようで、一度防波堤の上で立ちながら寝てしまい、そのまま海へ落っこちたこともあったそう

ここまでくるとアホも通り越しているのでは無いかと、自分の兄に対して少しばかりの不安を覚えた

濱ちゃんは縁側に座り、ちょびちょびお酒を飲んでいる

未成年の私にはわからない、大人の夜の楽しみ方なのだろう

ほんの少し、濱ちゃんをかっこいいと思って見つめていた

「なーにしてるん？」

すると後ろから、桐山さんが話しかけてきた

お風呂上がりの彼は、濡れた髪をバスタオルでわしゃわしゃしながら私の隣に座った

彼から飛んでくる水滴が冷たく、そっと距離を開けた

「桐山さんは、何してるんですか」

見ればわかるのだが、特に話すことが見つからずそう問いかけると

彼は不思議そうに私を見つめた

「あれ、Aちゃんって、俺のこと桐山さんって呼んでるん？」

「え、はい
なんてお呼びすればいいか聞いてなかったので、桐山さん、と」

「あれー？俺言わんかったっけー？」

桐山さんは大げさに首を傾げ頭を掻いた
そんな姿におもしろいなーなんて思っているのもつかの間、桐山さんがものすごい勢いでこっちを振り返るもんだから、水滴が目に入ってしまった

「なあ！照史って呼んでや！照史くんでもあっくんでもなんでもええけど、名前！名前がええなあ！…って、Aちゃん？」

桐山さんは一通り喋った後、目をぎゅっと瞑る私に気付いたようで、おそらく私の顔を覗き込んだ

「…水滴…」

「うわあー！ごめんな！全く気づかへんかった！ごめんなあ、大丈夫かあ？」

おそらく、見えないからおそらくでしか言えないが、桐山さんは焦ってわたわたしていそうだ