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「誰、ですか?」


そう聞けば、相手はパッと笑顔になり、私の近くまで駆け寄ってきた


「おれ、あきと、桐山あきとって言うねん!
照り焼きの照に歴史の史!
珍しい字やから素直に読まれへんけど、おれ、この名前好きやねん!」


桐山照史と名乗る彼は、最高の笑顔を向けながらわかりやすく説明してくれた


自分の名前が好きだと語る彼の笑顔は、今日会った誰よりも輝いていて、キラキラぽかぽかしているから、どうしても惹き込まれてしまう


しばらく彼を見つめていると、不思議そうな顔で目を合わせてきた


「君、誰やっけ?」


「え?」


びっくりした
知っていたから来たんじゃないのか

私は本日3度目となる自己紹介をした


「あー!!!!思い出した!!!!」


途端に彼が大きな声を出すものだから、一階から濱ちゃんの「照史うるさいねん!」という声が響いてきた

と、思うと開かられた扉の奥、流星の部屋の扉が突然開き「なにしてんねん」と呆れ顔で部屋に入ってきた


「おー!流星!これお前の妹か!」


目の前の彼は私を思いっきり指差し流星に問いかける


「これ、言うなや
そ、おれの妹
結構かわええやろ?」


突然そんなことを言い出すものだから、どんな顔をしていいかわからず俯く


すると、誰かの手が伸びてきて頰を両手で包み、無理やり顔を上げられた


「俯いたら見えないやん」


彼の黒目がちな目と私の目が合う

「綺麗…」
気づくとそんなことを口に出していた


彼の目はとても綺麗だった


とても澄んでいて、穢れを知らないような


「ありがとう!」


彼はニカッと笑い、小麦色の肌にしわを作る


あ、父に似ている
父も元々地黒で
母からケバブ屋の店員だ、とからかわれていた

そうすると父はいつもゲラゲラ笑い、母の頭と私の頭をくしゃっと撫でるのだ


あの大きな父の手
大好きだった


最後まで、私を守ろうとしてくれた、あの手が

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅 , 小瀧望   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2018年10月7日 2時

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