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ジミンさんは外に出て何をするでもなかった。
ポスターの角度を整えたり、店の前を掃除したり、
ただそうやって、周囲をとにかく見回していた。
『あっ』
1人の女性が通りかかる。
ジミンさんは、その人に自分から声をかけていた。
いつも私に見せるような何も感じてませんみたいな無表情で、
偶然を装って、話しかけていた。
.
『なにあれ……全然、普通じゃん』
その女性は、モデルみたいに綺麗なわけでも、アイドルのように可愛いわけでもなかった。
こう言ったらあれだけど、本当に、どこにでもいるような女の人。
むしろ幸が薄そうというか、不幸を一身に背負ってますみたいな…そんなオーラを放っていた。
ジミンさんが、その女性と少し話した後に、お店の制服のポケットから何かを取り出そうとして思いとどまったのが見えた。
なんだろう？何か渡したいものがあったのかな。
わからなかった。あの人の何がそんなにジミンさんを惹きつけるのか。
私でも、あの人の代わりにきっとなれる。いや、あの人以上の存在になれるって思った。
でも、そうじゃなかった。
.
女の人がジミンさんに手を振って去っていく。
その後ろ姿を見るジミンさんは、今までと全然違ってた。
目を細めて、優しく笑ってたから、あぁ、終わったなって思った。
あの人には勝てないなって、とにかく絶望感でいっぱい。
最後に追い討ちをかけるように、ジミンさんが制服のポケットから私がさっき渡したライブのチケットを取り出したから、くるっと踵を返してジミンさんを見ないように俯いた。
チケット、あの人に渡そうとしてた…。
ジョングクさんと行くって言ってたのに。
嘘つき。
肩からずり落ちたリュックを背負い直し、駅の方へ力なく歩いた。
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花帆 - 完結おめでとうございます！一気に読めてうれしい&面白かったです♪ ジミンちゃんが彼女に出会って お互いに良い変化するのも甘くなるのも良かったです！ (2021年7月21日 1時) (
レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
なゆ - 環さん ツンデレ ジミンちゃん 読んでて楽しかったです。ありがとうございます。 次のお話しも楽しみにお待ちしてます^ ^ (2021年7月10日 20時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
kumitake84(プロフ) - 番外編ありがとうございました。環さんのお話は甘々だけでなく切ない部分もキチンとあってお話にメリハリがあって、とても好きです。ジミンちゃんが幸せになってくれて良かった。テテ編の続きももしあれば、楽しみにしてます！ (2021年7月9日 8時) (レス) id: f676af609a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：環 | 作成日時：2021年7月9日 0時
