純情可憐【宮侑】 (ページ7)

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こじらせページ7

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やけに勘の鋭い誤魔化せるわけもなく、
私は包み隠さず、全てを話した。

そしたら治はふーん、と
あまり興味なさそうに聞いていた。

「んー……好きとちゃうん？お前のこと」

「真剣に聞いてもろてええかな治クン」

目を細めながら睨むと
ちゃんと聞いとるで、と言われた。嘘つけ。

おにぎりに夢中やったやろ今

夢中のおにぎりから目を離し、
またこちらに向き直った治はこう言った。

「せやから、告ったらええ」

「またそれかいな」

「もどかしいねんお前」

「ええやろ別に」

好きなら好きって言うたらええ、なんて。

言わんよ、絶対。

私は、この距離をずっと保っていたい。

でも、たまに、心のどこかで好きになってくれたら
なんて、思ってしまう。痴がましいわ

それなのに、それなのになぁ、

「ちゅーくらいええやないか」

「よくないわ！私の気持ち考えろや！！」

期待してまうやろ

でもな、好きになったらあかんねん

少しでも期待してしまうくらいなら
あのキスには他意なんてない方が良いのだ

そんな私の考えにやはり納得のいかない治が
「でもなぁ、」と言う。

「意味もなくキスなんてせえへんよ」

「そんなん分からんやん」

「侑(ツム)を何だと思っとんねん」

「上げてから落としそうやん」

ふと、侑の告白現場に
遭遇してしまった時のことを思い出す。

中学も侑と一緒の子だった

＂ずっと好きだった＂

＂同じ気持ちだったら嬉しい＂

顔を赤らめながら言う女の子は
誰が見ても恋する乙女の姿だったと思う。

その子がよく話しかけているところも
そこから二人を見かけるのが多くなったことも

噂にもなり、お似合いだと言われていた。

でも、そうじゃなかった。

その子の一方的なアピールで
侑があしらわないのは中学が一緒だったから

それだけだった。

＂俺はお前に興味ないねん＂

なんて返した侑の言葉が
私の心にも、何かが刺さったような気がした。

そんな懐かしい記憶に溜息をつくと
「まぁ、せやな、」と治が続けた

「告ったらええ」

「振り出しに戻っとるがな」

やっぱり話聞いとらんやろ、と言えば
「嘘や、嘘」と笑う治。喧しいわ。

「うん、でもありがとう治。なんかスッキリした」

「ほんならよかったわ」

「やっぱり持つべきもんは治やな！」

「そこは友達やないんかい」

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