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喜怒哀楽 ページ11






「噂をすればやな、」




友達の目線の先、中庭。
廊下を歩いていると学年の違う女の子と二人でいる侑の姿が見えた。

いわゆる、告白現場ってやつ


こういうところを見てしまうと
モテるんだなぁ、と改めて再確認する。



しかし、しばらく見ていると女の子が泣き出した。

侑の方はというと颯爽と去って行った。


私を含め、その状況を目撃した全員があぁ振られたのか、と思ったことだろう。


誰もがあの子の事を可哀想と思う最中、
私はなんだかホッとした気持ちになっていた。


すると突然、隣にいた友達が急に笑い出した。




「今、安心したやろ?」

「え?」

「あの子が振られて安心した、やろ?」

「はっ、そんなこと思ってな……」

「思ってなくても顔に出てんねん自分」




そんなに感情丸出しの顔をしているのだろうか

治に言われたときは偶然だと思っていたけど
こうも沢山言われてしまうと認めざるを得ない。


そして友達は更に追い打ちをかけるようにこう言ってきた。




「もう好きって認めるやろ?」




こちらも認めざるを得なかった。




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作者名:お箸 | 作成日時:2020年5月18日 19時

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