逆転クオリア（短編集） (ページ36)

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それぐらい彼女の笑顔は破壊力抜群。

それに彼女のいいところをたくさん知っているからこそ
周りの反応を見ていると、

Aの魅力が伝わってほしいような
伝わって欲しくないような
もどかしい気持ちになる。

けどきっといつかは伝わってしまうから

せめて他の誰かが気づいてしまう
その時までは俺だけのAで居てほしい。

そんな事を考えながら、
アイスを食べ並んで歩く帰り道。

「大晴くんはよ食べなアイス溶けてんで」

「うわっほんまや、やば」

「ははっ口の周りもベタベタやで」

こちらを見ながら
あの眩しいくらいの笑顔を浮かべる彼女

「A、」

「んー？ちょっとまってティッシュ、って、」

2人の影が少しの間重なる。

「...私のアイスまで溶けるやん。」

「えー？はよ食べや笑」

「もう〜...」

耳も顔も真っ赤になっていて
あまりにも愛おしい。

「A〜、今度の休みどこいく？」

「えーっと、あ、あっこ、ヒマワリ畑！」

「いいやん！行こう！」

「ヒマワリに囲まれる大晴くん、映えるやろなあ」

「そっくりそのまま返すわ笑」

ずっと、この先もずっと
彼女の笑顔の先に入れますように__

fin.