逆転クオリア（短編集） (ページ32)

今日:25 hit、昨日:60 hit、合計:30,760 hit

向日葵の先に、ページ32

.

現在、私にはお付き合いしている人がいる。

誰からも愛され、
誰に対しても優しく気遣いができて、
みんなの中心にいる太陽のような人

対して私は目立つ訳でもない
いたってふつーの人間だ。

なぜ彼が私なんかと、なんて言葉を
嫌というくらい投げかけられたし
自分でも何度も思った。

それでも、

「A〜かえろっ」

「大晴くん...うん、帰ろう」

「なんか元気ない？」

「...ううん、今元気でた！」

何も言われても
何を考えていても

彼といる今を大切にしたい。

こう前向きに考えられるのも
きっと彼のおかげだと思う。

「なにそれ〜？A可愛すぎるって」

「どこがよ笑」

「だって俺のおかげで元気出たー！ってことやろ？」

「さぁて、どうでしょうね？」

ちゃうんやったらめっちゃ自過剰やん俺！？
と大きな目をさらに大きくしながら叫んでいる。

「ほら、はよ帰ろ！コンビニ寄りたい」

「も〜スルーせんといてよ〜！」

「ごめんて笑」

「あっ！なぁ俺アイス食べたい！」

隣を歩く彼の笑顔があまりにも眩しくて
目が眩みそうになる。

そういえばあの時もそうだったなぁ。

.