｜ms ページ22
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部室の片隅でベースを弾く彼女に興味を抱いた。
理由は左ベースかっこいい
そんな単純なものだった。
早々に部室を後にする彼女を追いかけて話しかけた。
「いや、同じサークルだよね」
自分を認識してくれていたことが嬉しかった。
俺の中で彼女への気持ちが興味から恋へと変わった出来事がある。
A「...どしたんなんか元気なくない？」
「なんでわかるん〜...」
A「なんか無いはずの耳が垂れ下がってるから」
「ふふっなにそれ」
ある日の楽器練習中。
上手く演奏が出来ず落ち込んでいた俺の横に
ちょこんと座って話しかけてくれたあの時。
「誰であろうと佐野くんが今まで積み重ねてきた努力を否定できひんよ、基準なんて人それぞれやし。」
「...うん。」
「佐野くんは色々楽器できるやん、しかもドラムなんてたった数週間で、そんなに努力できるんは尊敬するし。」
私は素敵やと思うよ
そう言ったAちゃんの視線は
まるで突き刺すようにまっすぐで。
俺は目を逸らせずにいた。
「...なによ、見過ぎちゃう？クサいこと言ったし恥ずかしいやん」
彼女が少し照れるように笑った瞬間
あ、好きや。
「Aちゃん、ありがとう〜...俺好きになったかも〜...」
「なんて？聞こえへん！」
急に再開した楽器の音でかき消されてしまった声。
まだ伝えるのは早いと言われているようだった。
いやでも他の人らどんなタイミングで演奏再開してんねん！
「んーなんでもない！ありがとう！今日一緒に帰ろ！」
「なんなん？別にええけど」
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作成日時：2022年3月22日 22時
