逆転クオリア（短編集） (ページ21)

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佐野「好きって、俺のこと...？」

「それ以外おる？」

佐野「はぁ〜〜...」

「ため息はひどいなぁそんなに嫌やったん」

佐野「ちゃうやん！俺よりかっこいい感じなんやめてよ！告白は俺からしたかったのに！！！」

いやだって口から出てたんやもんしゃーないよな

口を尖らせて拗ねた顔を見せる佐野くんは
やっぱり大型犬にしか見えなくて
頭をわしゃわしゃと撫で回したくなる。

佐野「...今の！聞かんかったことにするから！！」

「えー？好きにして」

佐野「てかなんでそんな落ち着いてるん、俺もほぼ告白したみたいなもんやで？」

「いやあんなダダ漏れの好意気づかんやつおる？」

佐野「まあそうやけどさぁ。...でもそんな直球なとこも好き...。」

佐野くんも結構直球タイプよ
なんて口にはしないが思った。

「とりあえず今日は寝なさい病人さん」

佐野「えぇせっかくAちゃん来てくれたのに〜」

「さっさと治して学校きてよ」

佐野「ん、分かった」

「...佐野くんがいない講義はつまんない」

そう言い残して部屋を後にした。

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先輩「まだ連絡先交換してなかったん？！なんで？」

佐野「なんかその必要ないくらい隣におったんで...」

「完全に失念してましたね」

先輩「はぁ〜ほんまお似合いやねおふたりさんは」

佐野「でしょ！！！！！」

完全復活した佐野くんに
後日改めて告白をされお付き合いするようになった。

まあ周りにはまだ付き合ってなかったんや、なんて
言われてしまったが。

弾ける炭酸のように爽やかで
溶け出すアイスクリームのように甘い

そんな彼の魔法にかけられて
私の学生生活はまぶしいくらいに輝き出した。

fin.