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「...これはなんでしょうね」
佐野「ん？ハグ！」
「せやんな。それは分かってんねん、でもなんで？」
佐野「ハグってストレス3割解消されるらしいねん！どう？癒されてる？」
変な子だし、大型犬みたいな佐野くん。
それ以上でも以下でもなかった。
はず、なんだけど。
彼の香りに包まれながら頭を巡る考えは
"ああ、佐野くんって男の子なんだな。"
なんて単純なものだった。
「ストレス、をそもそも実感がしてないけど。...癒されたかも。」
佐野「ほんま？！よかった！！」
「でも、そろそろ離れてもらっても...？ほら、あのベースの練習中やし」
佐野「えー...しゃーなしやで」
渋々と言った様子で離れて
再び隣のイスに戻ってきた彼は
なぜか私の髪を指先でくるくるといじっていた。
「...そろそろ帰るわ」
なんだかいつもと違う空気感に
いたたまれなくなって席を立つ。
佐野「えー！！今日俺これから用事一緒に帰られへん！！」
「別にいつも約束してないやん！笑」
佐野「気をつけて帰りやぁ」
耳とシッポがシュンと垂れ下がっている
幻覚が見えた気がした。
今日は疲れた。
そういえば男の子だったな、とか
身長たかいよな、とか
楽器触ってるときの真剣な顔素敵だな、とか。
今まで考えてこなかったことが
一気に思考を巡り出したもんだから
私の脳はオーバーヒート寸前だった。
また明日、あったらハッキリするかな。
この気持ち。
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作成日時：2022年3月22日 22時
