031* ページ31
後方に飛び、私との間を開けたローナイトは2mある真槍を構える。
それに対して、私の武器は精々15センチ程のナイフ。
『トントン様...お借りします、いいですね？』
ローナイトから一瞬も目を逸らさぬまま、背後の彼からダイヤ剣を拝借する。流石にあの巨体にこのナイフでは厳しい。
返事は無いが、沈黙は了承とみていいだろう。この状況下で断る方がおかしい。
青く光るダイヤ剣を握り、腰を落とす。
合図もなく、同時に動き出した。
完全に一対一の攻防戦は、誰にも邪魔を許さない。
とてつもない殺気と次から次へと飛んでくる斬撃、奴が動くと共に起こる風、その全てが心臓と肺を締め付ける。息が苦しい。
.
『ッ、』
防ぎきれない攻撃が頬や肩に傷を作る。相手にも攻撃は行き届いているのに、全て塞がってしまうのだから不公平だな、なんて。
一瞬、
視界の端で、他の下級獣4体を片付け終えたらしい兵士、それと幹部が武器を構えて近寄ろうとしているのが見えた。
まずい、
『っ余計な事をするな！！！』
全盛期のコネシマと真っ向勝負で戦い、そして殺せる強さを持つ、このローナイトに。
今の貴方達が加わったところで正直、足手まといにしかならない。
前世で私達がゴルヴィス軍と全面戦争をしたのは平均で29歳の頃。
今の彼らはまだ20歳前後だから、全盛期に比べて9年分の経験と鍛錬が足りていないことになる。一般兵士なんか、言うまでもない。
私は前世、英雄と呼ばれる24人の中で一番長く生きた上、記憶を保持したまま生まれ変わった。
だから今の私は、当時___あの戦争時の自分よりも、あの時の彼等よりも強い。
.
槍が全方位から飛んでくる。が、書記長のダイヤ剣は頑丈で、ただの鉄であれば直ぐに折れるであろう強力な突きも弾き返す。
ただ、一瞬でも気を緩めれば心臓を突かれて即死___
『___！？』
私の後方から発砲音が聞こえた。
ローナイトの片脚に銃弾がめり込んでいるのが見える。刹那、発砲した本人であろう兵士の叫び声が聞こえた。
ローナイトが投げた槍が兵士を貫通して砂地に刺さる。それにより下半身が切り落とされた彼は壮絶な痛みから絶叫し、ばたりと地面に転がった。
ッ、
だから何もするなと、言ったのに！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 845人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狐火(プロフ) - 我儘ですけど、作者さんの書いた続編が見たいなって思ってます。この続きすごい気になりますし、これから始まるであろうntjuとuneiとの絡みがすごい見たい……なので！これからも更新お待ちしてます！！ (2021年8月3日 17時) (
レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - ハマりました…更新いつでも待ってます… (2021年8月3日 17時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
はぁな。 - あの、更新遅くても本当に私達は構わないので、続きをきゃらめるまきあーと。さんの言葉で書いて欲しいです！体調崩さない程度に頑張って下さい！ (2021年8月3日 9時) (レス) id: b36ca423a9 (このIDを非表示/違反報告)
星 - あの、好きです！付き合いましょう！尊死しますよ！約50話おめでとうございます！更新は遅くなってもいいので、体調崩さない程度に頑張ってください！ (2021年8月2日 0時) (レス) id: b61274ff34 (このIDを非表示/違反報告)
おおつき(プロフ) - 更新が遅くても構わないのできゃらめるまきあーと。さんの言葉で続きを読ませていただきたいです！こんな素敵な文章を書くのには時間がかかるのは仕方のないことですので…良い報告をお待ちしております！！！！！ (2021年8月1日 23時) (レス) id: 49764b0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゃらめるまきあーと。 | 作成日時：2021年3月25日 18時
