第9話「おはよう」 ページ10
ピンポーン
「おはよう。辺古山さん」
「あぁ、おはよう」
「ペコちゃん、Aちゃん。ちょっといいかな？」
小泉さんが話しかけてきた。
私は小泉さんと話すのが久しぶりで、何を話すのか思わず身構えてしまう。
「どうかしたのか？」
「今日、ご飯食べ終わったら女子だけでお菓子作りしない？
その後はみんなでおしゃべりとか考えてるんだけど……どうかな？」
「それはいいな。私も参加させてもらおう」
「私は……」
「彼岸も行く。それで頼む」
間髪を入れず辺古山さんが言ってくれた。
正直、私1人じゃ絶対に断ってただろう。
「はーい！じゃあ朝食食べ終わったらまたレストランに集まってね」
そして小泉さんはレストランに走っていった。
「……ありがとう、辺古山さん」
「……お前じゃ断るだろうと思っていたからな」
そう言って、辺古山さんは私にニコリと微笑んだ。
レストランに集まると、みんなは旧館でパーティーをすることになっていた。
「掃除はどうするの？」
「ならこのくじで決めようか」
狛枝君が棒の束を持ってみんなに引かせていく。
そして私の番が来ると狛枝君は私の耳元で囁いた。
「夕方ごろに旧館に来てくれる？
2人きりで話したいことがあるんだ」
「……分かったわ」
なにが起こるのか。うっすらとわかってはいたけど言わないことにした。
それに、狛枝君に言われると……断れない。
そしてみんながくじを見せ合うと……
「あれっ？ボクが掃除当番だ」
「あははっ、お前ってツイてないな！」
そしてコテージに戻って暇を潰した後、レストランに向かった。
ガチャ
「わ！日向君……」
「おっと……驚かせたな」
「……なんで日向君がここに？」
「小泉に俺が持ってる雑誌の中にお菓子作りのことが載ってるって教えたら誘われたんだ」
「そういうことね……」
「……彼岸。さっきくじを引いた時、狛枝になんて言われたんだ？」
「え？あぁ……秘密よ」
「なんだよ、教えてくれてもいいだろ？」
「フフ、教えない」
「2人ってそういう仲だったんだね……」
七海さんがいきなり私の背後に現れた。
「ただこいつに聞いてただけだって」
「好みのタイプとか？」
「七海！あんまりからかうなよ！」
「2人があまりにも幸せそうだったから……えへへ」
私は無意識のうちにこんな何でもない会話が幸せだと感じていたのだ。
でも、素直に喜ぶことが何故かできなかった。
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ぎん(プロフ) - 作者です。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/tmei07013/ 編集出来なくなったので続編作りました。よろしければご覧下さい。 (2016年10月13日 23時) (
レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
ぎん(プロフ) - 林檎さん» はじめまして！林檎さんの希望は微笑むとは限らない、密かにファンです笑コメント＆お褒めの言葉いただけて嬉しいです。こちらこそ応援させてください！！ (2016年9月12日 22時) (レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ぎんさん初めまして！お話の書き方とか展開の持っていき方とか尊敬するところが沢山です…！これからの展開が凄く楽しみです！更新頑張って下さい！ (2016年9月12日 13時) (レス) id: 580b9eeb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぎん | 作成日時：2016年9月6日 22時
