第24話「名前で呼んでみて」 ページ26
彼といる時間は楽。静かな時間も飽きない。
でも今は静かな空間だと、どうしても過去が脳裏に滲んでくる。
"アンタみたいな中途半端な奴って希望にも絶望にも愛されなくてカワイソ〜！アハハッ"
私は…カオリに器を用意するだけの捨て駒……邪魔で、無駄で…いらない存在……
「__さん！聞いてる？」
「…ご、ごめんなさい」
「あははっ、いくら話しかけても反応しないからびっくりしたよ」
「ふふ……それで、どうかした？」
「……ボクのこと名前で呼んでくれないかな？」
「へっ？」
「あっ、いや……ボクなんかが苗字で呼んでもらえることでさえ幸せすぎて死ねるのに……思い上がったね…ゴメン」
……そんなふうに自分を下に見なくたっていいのに。私が名前を呼んであげれば…
「……な、凪斗君…」
なんとか顔は赤くなってないみたい。でも、狛枝君の目が見れない……
「あはっ、嬉しいなぁ。"Aさん"」
私の顔は爆発したように熱くなった。
シュンとした狛枝君に騙された。彼は私に名前を呼ばせるためにわざとそうしていたのだ。
「もう！2人きりのときしか呼んであげない……っ」
確信犯な彼は私をじっと見つめたまま微笑んでいた。
まるで、私の腹の中を見透かされてるみたい。
「参ったなぁ〜」
困った表情1つせず、また彼はにっこりと笑った。
次に電気街に行くと狛枝君___もとい"凪斗君"は探索を始めていた。
「Aさん。これを見てみてよ」
凪斗君は一台のパソコンを見ていた。私もパソコンをのぞき込むとそこには衝撃的なことが記されてあった。
「……人類史上最大最悪の絶望的事件………本科との格差に不満を持った予備学科の生徒が闘争……事件の発端である希望ヶ峰学園もその歴史に終止符を打つ……」
「…こんなの、モノクマの悪ふざけとしか考えられないよっだって希望ヶ峰学園が滅びるわけないもん…」
凪斗君は唇をギュッと噛んでいた。
……なにか……思い出しそう……
ザザザッ
「予備学科生の◆◆君だね。例のプロジェクト…思いとどまってるならアタシが導いてあげようか……？」
ザザザッ
「どうかしたの？」
凪斗君は心配そうに私を見つめる。
希望が生きる意味となってる凪斗君にこんな話をするものじゃないわね……絶望の記憶が蘇った、なんて…
「大丈夫よ。それよりこのこと…みんなに知らせた方が良さそうね」
「うん。そうだね」
そして私達は何人かにそれを知らせるとコテージに戻った。
第25話「なんでいるのよ」→←第23話「貴方と一緒にいたい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ダンガンロンパ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぎん(プロフ) - 作者です。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/tmei07013/ 編集出来なくなったので続編作りました。よろしければご覧下さい。 (2016年10月13日 23時) (
レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
ぎん(プロフ) - 林檎さん» はじめまして！林檎さんの希望は微笑むとは限らない、密かにファンです笑コメント＆お褒めの言葉いただけて嬉しいです。こちらこそ応援させてください！！ (2016年9月12日 22時) (レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ぎんさん初めまして！お話の書き方とか展開の持っていき方とか尊敬するところが沢山です…！これからの展開が凄く楽しみです！更新頑張って下さい！ (2016年9月12日 13時) (レス) id: 580b9eeb44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぎん | 作成日時：2016年9月6日 22時
