第13話「おやすみ」 ページ14
「_______さん。彼岸さん、起きて」
七海さんに起こされるとそこは私のコテージだった。
「……っあ！が、学級裁判は…？」
「………終わったよ」
「……狛枝君が処刑されたの…？」
「ボクならまだ生きてるよ……残念なことにね」
「こ、狛枝君……！
なら犯人は誰だったの……？」
「……花村くんだよ」
「………本当にごめんなさい」
「彼岸さんが謝ることないよ。
…悪いのは全部黒幕なんだから」
「ありがとう。
……もう遅いし、しっかり寝てね」
「うん。おやすみ、彼岸さん」
バタン
「貴方には話があるわ……教えて欲しいの」
「君がボクに旧館に呼ばれてから何があったのか……だよね？」
「私が十神クンを殺してたら貴方だって皆にどう思われてたか……」
「まあ、既にそうなってるだろうけどね」
「……」
「ボクなんかの事はいいとして……旧館でのこと、だったね？」
「えぇ……」
「……まずボクはもう一人の彼岸さんに殺害の計画を話したんだ。
彼岸さんはその時快く承諾してくれたよ。
だからボクは次に旧館の構造をすべて話した。じゃないと、もし何かあった時に困るからね」
やっぱり。あの記憶はカオリの記憶だったんだわ……
こんなこと今まで無かったのに……
「掃除当番を装ってボクはすべての準備を整えた後、君にボクの計画がうまくいくように手回ししてもらってたんだけど……
どうやら停電の時に十神クンに突き飛ばされて壁に当たって気を失っちゃったんだね」
「失敗したのね……」
「うん。そうだよ」
「……なんでそんなこと……」
「花村クンに計画がバレた時も同じことを聞かれたよ。
その時のこと覚えてない？」
「……」
「君はこう言ったんだよ。
"絶望のためだ"……ってね」
「……！」
「さすが超高校級の絶望だよ……
じゃなきゃ、あんなこと笑いながら言えないもん」
「……っそれ、は……」
「それを言ったのは君であって君じゃないからね。
彼岸さんのことをどうこう言うつもりはないよ」
狛枝君は私を嘲笑うように微笑んだ。
胸が苦しい。
…でも言いようもない絶望感とは別に、私にはある感情が芽生えていた。
狛枝君と話すことが、嫌じゃない。むしろ……
「……そんなことない…」
狛枝君の出ていった部屋はどうにも落ち着かなかった。
本当は怒りたいのに、離れたいのに、何故か嫌だと言えない。騙されたのにね。
胸のモヤモヤはいつまでも消えず私はただ目をつぶった。
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ぎん(プロフ) - 作者です。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/tmei07013/ 編集出来なくなったので続編作りました。よろしければご覧下さい。 (2016年10月13日 23時) (
レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
ぎん(プロフ) - 林檎さん» はじめまして！林檎さんの希望は微笑むとは限らない、密かにファンです笑コメント＆お褒めの言葉いただけて嬉しいです。こちらこそ応援させてください！！ (2016年9月12日 22時) (レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ぎんさん初めまして！お話の書き方とか展開の持っていき方とか尊敬するところが沢山です…！これからの展開が凄く楽しみです！更新頑張って下さい！ (2016年9月12日 13時) (レス) id: 580b9eeb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぎん | 作成日時：2016年9月6日 22時
