第11話「私に何をしたの？」 ページ12
ビリビリとした痺れを抱えながらゆっくり目を覚ますと、そこはパーティー会場である旧館だった。
「……え、と……」
こういう体験は一度や二度じゃない。
そう思っても脳が付いていかなくて、いつまでも混乱したままだった。
カオリと話したことは無いけれど、カオリは平気なんだろうか。体の中にもう1人がいるという事実を受け入れ、共存出来ているのか。
私には到底理解出来ない。
「彼岸さん、今ボク達は十神クンを殺したクロを見つけるための捜査をしているんだ」
「と、十神クンが…？」
後ろを向くと無残な姿でうつ伏せになった十神クンがいた。
…否、十神君は亡くなった。
「……っ」
血と料理が混濁した匂いと、白熱球の安っぽい明かりによって眩暈がする。
でも、今気を失ったら…またカオリが出てくる……私は必死に自分を保った。
「辛いけど……受け入れるしかないよ…
希望が輝くためにはね……」
「狛枝君……私に何をしたの？
いえ……カオリに何をしたの？」
「……ちょっと手伝ってもらっただけだよ」
「て、手伝ってもらったって……っ」
「それより、ボク達は疑われるだろうから今の内にちゃんと捜査しておいた方がいいんじゃないかな？」
「疑われる……？」
「じゃあボクと一緒に捜査する？どうせ君は当時の状況何もわかってないもんね？」
「……1人でも出来るわよっ」
狛枝君は私をいつも見下してくる。
でも狛枝君の言う通り。私一人じゃ何も知らない、分からない。
じゃあ、私は何をすれば……
「おい、貴様」
外に出ていると田中君に声をかけられた。
「どうしたの……？」
「地下へ繋がる抜け穴を知らないか？」
「抜け穴……」
ザザザッ
「彼岸さん。ここに床下に繋がる穴があるんだ、覚えておいてね」
ザザザッ
私の頭の中にノイズのように流れ込んできた聞き覚えのない狛枝君の言葉と倉庫の景色……
倉庫なんて行ったことないのに、なぜ分かったのかしら……
「……えぇ、知ってるわ」
あのノイズを頼りに旧館の倉庫へ向かうと、記憶通りそこには床下へと続く扉があった。
「この下よ」
「フハハハ！よくやってくれたなぁ雑種！
特別にお前を俺様の配下として認めてやろう！」
「……素直にありがとうって言ってくれないかしら？」
「……っあ、ありがとう、ございます……」
「フフ。
落し物、見つかると良いわね」
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ぎん(プロフ) - 作者です。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/tmei07013/ 編集出来なくなったので続編作りました。よろしければご覧下さい。 (2016年10月13日 23時) (
レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
ぎん(プロフ) - 林檎さん» はじめまして！林檎さんの希望は微笑むとは限らない、密かにファンです笑コメント＆お褒めの言葉いただけて嬉しいです。こちらこそ応援させてください！！ (2016年9月12日 22時) (レス) id: 9181fd1acb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ぎんさん初めまして！お話の書き方とか展開の持っていき方とか尊敬するところが沢山です…！これからの展開が凄く楽しみです！更新頑張って下さい！ (2016年9月12日 13時) (レス) id: 580b9eeb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぎん | 作成日時：2016年9月6日 22時
