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スピンオフ36 ページ36
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しばらくするとコンコンっとノックの音がした。
「どうぞ。」
失礼します、と言って入ってきたのはAちゃん………。
「……なんでAちゃん？」
素直に声に出してもうた。
「篠田さんに頼まれました。」
Aちゃんも気まずそうやわ、
そっと机の上に記事を置くAちゃん。
「付き合ってるのは事実ですか？」
はっきりと僕の目を見て聞くAちゃんが、大人になったなあと思ってしまった。
「……別に付き合ってへんよ、ご飯行っただけやのに撮られただけ。」
まあ、この写真はな？
プライベートまで話さんでええやろ。付き合ってないのは事実やし。
「そ、そうなんですか」
なあ、なんでホッとしたん？
僕のことまだ好きなん？ちゃうやろ？
Aちゃんには大倉がおるもんなあ？
ちょっと苛ついてしまった心を抑えるように謝罪の言葉を口にする。
「ごめんなあ、迷惑かけて」
「いえ、恋愛するのは自由だと思いますし！」
……アイドルはその恋愛も縛られとるんやで？
「おーくらもしてるもんな？笑」
傷つくのはわかってるのに、
なんでこんな言葉が口から出るんやろう。
「……ごめん」
傷ついたようなAちゃんの表情が僕の心をチクンと痛めた。
僕はいつもAちゃんを傷つけてしまう。
心の中でもう一度Aちゃんに謝って、僕は部屋を出た。
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作者名：凛 | 作成日時：2017年7月23日 10時
