コンプレックス・シンデレラ【Takahisa.M】 (ページ23)

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優しさに甘えるページ23

「増田は？お姉ちゃんの…友達？」

『違うよ、小山が高校の先輩』

「へぇーそうなんだ」

直接お姉ちゃんと繋がりがないことにホッとした

祐子ちゃんもそうだけど、私がお姉ちゃんに勝てるとこ1つもない

2人の間に流れる沈黙、お互いも喋ろうとしない

肌に突き刺さるような冷たい風の音が聞こえる

真冬の12月で自分がワンピース1枚のまま外に出てきたことにようやく気付いた

寒そうに自分の二の腕をさすっていたら、くしゃみが出た

何も言わずに私の肩に自分のコートをかけてくれた

『そのまま出て行くお前が見えたから、一応コート持ってきた』

マフラー貸してくれる時もそう、こういうとこは本当に優しい

コートから増田がつけてる香水の匂いがする

増田の優しさに甘えて、それに袖を通した

子供が父親の服を着てるくらいダボダボだった

「でも私コート着たら、増田が風邪引いちゃうよ」

『そしたらお前は俺の分まで働け』

「なら私が風邪引いて、増田が働いてくれる方がマシ」

『うるせぇ、このままずっとここに居たら一緒に風邪引くよ』

言ってることが正しい、言い返せる言葉がない

増田に腕を引っ張られて暖房が効いてる室内に戻った