幸せに…? ページ9
『…血に、縛られている?』
産屋敷「考え方を変えてみないかな?
君がここへ来たのはそれは一族の為ではなく、君自身の為に…君が幸せになる為に来たんだと」
幸せに…
『……幸せに、なっても良いのでしょうか…』
ポツリと漏れた一言。
蜜璃「当然よ!幸せにならなきゃ!一族の為に自分を犠牲にする事は無いわ!
オウカちゃん可愛いんだし!!」
ふんす!と鼻息を荒くしてカンロジ殿が胸を張る。
か、可愛い…?
初めて言われた様な気が…
実弥「……なァ、武術に秀でた一族なんだろォ?1度試合しねぇかァ?」
ニヤリと挑発的に笑うこの方は確か風柱のシナズガワ殿か。
『…いいでしょう、庭をお借りして宜しいですか?』
館の主に許可をいただかないといけないと思い聞いてみると許可が降りた。
本来私事の争いは禁止らしいが、私の実力が見たいとの声が多数あったので許可が降りたみたいだ。
私とシナズガワ殿は庭に出て向き合う。
刀は…との事でどこからか持ち出された木刀を用いての試合だ。
実弥「どこからでもいいぜェ?」
なかなかの実力者であると解る。
この位の実力者、戦場でもそういないだろう。
不思議と胸が踊る。
久しぶりに楽しめそうな相手だ。
『参る!』
地を蹴り一瞬で間合いを詰める。
シナズガワ殿も驚いていたが直ぐに私の剣を捌き、距離を取る。
実弥「ーッてて、お前かなり力もあるなァ?」
『見た目で判断するのは命取りですよ?』
互いに手にビリビリと余韻が残っている様だ。
実弥「そう来なくちゃ面白くねェよなァ!!」
ガッ!と刀が交差し、互いに激しく打ち合う。
『剣を交えて楽しいと思える相手は久しぶりに会いました…!』
実弥「そら光栄なこった!!」
軽口を叩きながら剣を交える。
シナズガワ殿も笑っているから楽しいのだろう。
相手に取って不足なし!
実弥「しかも全集中・常中を使ってねえのに全く息を切らさないとかありえねぇだろォ?」
『その割には楽しそうですが?』
互いに笑いながら打ち合う中、カンロジ殿が「ええっ!?」と驚いていた。
そういえば、炭治郎が呼吸がとか言っていたな…?
実弥「考え事とか余裕だなァ!!」
飛んでくる攻撃を払いのける。
弾かれたシナズガワ殿が着地すると庭木から何やら可愛らしいもふもふが姿を見せた。
な、なんだ…あの可愛いらしい生き物は…!!
あまりの衝撃に手が止まる。
シナズガワ殿も足元に来たもふもふに気付いた。
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作者名:綺羅 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225
作成日時:2022年12月1日 21時