異変 ページ30
千寿郎が追加の朝餉を持って来た、その直後。
柱の方々や槇寿郎殿と話していると、急に周囲に霧が立ち込め始める。
杏寿郎「むう?」
槇寿郎「なんだ!?」
『…これは…!?
皆様お気を付け下さい!私がこちらへ迷い込んだ時に現れた霧と良く似ています…!』
その言葉に「なんだと!?」と室内が騒がしくなるが、霧はあっという間に部屋に充満して、私達の意識は遠のいていった…
?「オウカ、オウカ!」
『んん…』
誰かが身体を揺さぶり私を起こす。
目を開けるとそれは無一郎だった。
『……はっ!?大丈夫ですか!?』
無一郎「僕はなんともない、皆はまだ気を失ってるみたいだけど…」
周囲を見渡すと皆様が倒れているが、そこは煉󠄁獄家ではなくどこか見知らぬ場所だった。
しかも身を隠す場所さえないだだっ広い場所。
しかし、どこか懐かしさを感じるこの空気…
そして先程の謎の霧…
まさか、ここは私のいた世界ではないのだろうか…?
無一郎「…僕達、部屋に居たよね?」
『はい、一緒に朝餉をいただいていた筈です』
取り敢えず皆様を起こすと「なんだここは!?」や「え?は??」等様々な反応が出る。
?「「…すみません、貴方はエヴェンクルガ族のトウカ…さんですか?」」
ん?
何やら声が被っていて…しかもエヴェンクルガを知っている?
更にトウカは私の姉だ。
声がする方を向くと、瓜二つな少年か少女か良く解らない2人がいた。
私の良く知る耳や尻尾がある。
と、するとここはやはり私が居た世界になる…!
『…トウカは私の姉になります、私はその妹のオウカ、失礼ですが貴方がたは…?』
彼等を見て柱の方々は「えっ!?」「耳と尻尾…」等言っているが、今は状況確認が最優先だ。
?「すみません、拘束させていただきます」
?「失礼します」
言うが早いか2人は柱の方々を拘束しようとするが
実弥「ふっざっけんなこの野郎…!」
柱の方々も鍛錬を積んだ武人。
そう簡単には拘束されない。
『何が目的ですか?
事と次第によってはただでは済みませんよ』
そう言って日輪刀ではなく自分の刀を抜く。
日輪刀は人を守る為の刀だ、その刀をこちらで使う訳にはいかない。
?「どうしよう?ドリィ…」
?「妹、なだけで関係ないのかもしれないね、グラァ」
ドリィ、グラァと互いを呼ぶ2人は顔を見合わせた後、私に状況を話し始めた。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:綺羅 | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/tukimisou225
作成日時:2022年12月1日 21時